本文に移動

カトリック‘安重根 抱き’… "親日の反省が先"

原文入力:2010-03-09午後09:36:38(2232字)
26日 枢機卿執典 殉国100周年記念ミサ
過去‘信者’と認定しなかった痛恨の過去
"日帝に協力し成長…免罪符 活用 警戒を"

チョ・ヒョン記者

←安重根義士が1910年3月10日旅順監獄面会室で弟ジョングン・コングンと共に面会に来たピルレム神父を仰ぎ見ながら遺言をしている。 <ハンギョレ>資料写真

2010年3月26日韓国カトリックはソウル,明洞大聖堂でチョン・ジンソク枢機卿の執典で安重根(1879~1910)義士の殉国100周年をむかえる記念ミサを奉献する。韓国カトリックの最高指導者が主敎座聖堂で教区次元の公式的な安義士追慕ミサを奉献するのは初めてだ。

安重根義士が19才の時の1897年1月、安義士と家族,親戚たちは父親アン・テフンの勧誘で36人が同時にフランス人ピルレム神父から洗礼を受けた。トーマスという洗礼名を受けた安重根は教理の勉強を熱心に行い、総代(聖堂の事務長)として敬虔な教会活動を行った。

国外に亡命し義兵活動をした安重根が1909年10月26日、日帝の最高実力者 伊藤博文を処断するや、当時韓国カトリックの最高指導者だったフランス人ミューテル(1854~1933)主教は日本検事も許諾した神父の面会と聖体聖事を拒否し、安重根がカトリック信者だという事実も否認した。また彼は黄海道,信川(シンチョン)聖堂で共に過ごした義士を訪ねて行かず、死刑直前に終傅聖事を行ったピルレム神父に対して‘命令不服従’を理由に2ヶ月間ミサ執典を禁じる聖務執行禁止措置を下した。だが安重根の信仰心は変わることはなかった。彼は日本人検事の前でカトリック信者であることを明らかにし、‘人を殺すことはカトリックで罪悪ではないのか’という質問に 「平和な他国を侵略し奪取し人の生命を奪おうとしているにも関わらず手をこまねいているのは罪悪になるので、私はその罪悪を除去した」と答えた。彼は長男プンドをカトリック神父にさせて欲しいと妻に遺言した。

1890年から1933年に亡くなる時まで、我が国カトリックの最高指導者であったミューテル主教は日帝の侵奪に手をこまねいていたばかりか、進んで日帝を積極的に助けた。昨年公開されたミューテル主教の1911年1月11日付け日記を見れば、安重根一家と親しいピルレム神父が安重根の年下のいとこ ヤコボ(アン・ミョングン)から受けた懺悔を聞いて‘朝鮮人が寺内総督暗殺を試みており、その中心に安重根の弟ヤコボがいる’という‘情報報告’を手紙で送り、‘雪道をかきわけて行き’日帝 アカボ将軍に知らせたという内容がある。彼の密告で抗日秘密結社‘新民会 105人’が検挙される。後日、新教,天道教,仏教など宗教界指導者らが力を合わせた3・1運動民族代表33人にカトリックは1人も含まれなかったことをはじめ、カトリックは韓国独立運動史に‘局外者’として残る。

1970年代にスタートした正義具現司祭団を中心に韓国カトリック界では安重根復権運動と共に安重根精神を受け継ぐ運動が広がった。帝国主義の一員だったフランス人の視角で植民地民の義挙を‘殺人行為’として断罪したことをそのまま放置していることについてカトリック指導部に対する糾弾があふれた。金壽煥(キム・スファン)枢機卿は1993年ソウル,恵化洞のカトリック教理神学院聖堂で追慕ミサを奉げ "安義士を含め日帝時にこの土地の国民が自己救済策として行ったすべての行為は正当防衛であり義挙とみるべきだ" として安義士を復権させた。

以後、安重根はカトリック制度圏に戻り韓国カトリックの象徴に浮上している。だが日帝に協力しカトリックの成長だけを試みた当時の指導部の脈を引き継いできた韓国カトリックが‘カトリックにも独立運動に命を捧げた人物がいる’として安重根を利用することに対する警戒の声も出てきている。
<安重根評伝>と<宗教,近代の道を聞く>などの著書を通じて‘カトリック教の安重根’に光を当てたキム・サムウン前独立記念館長は "権力の側に立ち弱者の側に立つ神父を投げ出す現カトリックに安重根精神を探してみることができるか疑問" と明らかにした。

<かむことが出来ない舌>でこの問題を扱ったキム・ユチョル‘カトリック馬山教区民族和解委員会’執行委員長は 「韓国カトリックで安重根と親日問題などに対する懺悔が先行したとすれば、朴正熙の国家再建最高会議や全斗煥の国家保衛非常対策委員会(国保委)に参加するなど、権力協力という名前で不正がずっと続くことはなかっただろう」と話した。

京畿安城ミリネシルバータウンに来る26日安重根銅像を奉献するのに先立ち、5億ウォン規模のパボ奨学会を設立したパン・サンボク神父は 「安重根,盧武鉉,金壽煥のように公益のために個人を捨てることができるパボたちの出現を念願し、カトリックもそうでなかった過去を懺悔し、そのような行動と生き様を示さなければならない時」と話した。チョ・ヒョン宗教専門記者 cho@hani.co.kr

▲全文は‘チョ・ヒョン記者の休心亭’(well.hani.co.kr)

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/409068.html 訳J.S