原文入力:2010-02-22午後08:11:55(1574字)
‘ハナ院’脱北女性たち人権侵害 証言
パク・スジン記者
"中国からモンゴルに逃げる時、妊娠6ヶ月でした。ブローカーはモンゴル境界隣接地まで連れていき、道を探して昼夜24時間ずっと歩きました。小便をするのに子供が産まれてしまいました。子供をタオルでぐるぐる巻いてつかんで泣いて歩きました。その日の夜1時半に見てみると、子供がカチカチに凍っていました。今でも毎日1時半頃になると昼でも夜でもとても恐ろしいです。"
ブローカーにだまされ、からだを捨てて心に傷
国家情報院でも差別され調査されて‘北→中→3国→南’段階別に苦痛累積
キム・ジェオク(44・仮名)氏は1998年32才の年齢で豆満江を渡った。中国では8000ウォンで売られる売買婚を経験し、韓国に入ってこようと移ったモンゴルでは道に迷って子供を死産した。下半身が凍傷にかかったまま2006年韓国に入国した後には基礎生活受給者として暮らしている。
北韓離脱住民女性たちが‘北韓→中国→第三国→韓国’と続く脱北過程で段階別に体験する人権侵害とそれによる精神的・心理的苦痛(トラウマ)が累積しているという調査結果が出た。2002年からセトミンの中で女性比率が半分を越え、2008年には全体の78%が女性だった。
国家人権委員会(委員長 ヒョン・ビョンチョル)は22日、東国大北韓日常生活研究センター(責任研究員 パク・スンソン教授)に依頼し実施した‘脱北女性の脱北および定着過程での人権侵害実態調査’結果を発表した。今回の調査は1998~2008年に韓国に入国した女性セトミン26人の深層インタビューと昨年8月現在ハナ院に入所している女性268人のアンケート調査結果で、昨年4~12月に行われた。
女性セトミンたちは大部分がキム氏のように長くは10年余りに達する脱北過程で幾重にも傷を負った。脱北の初めての関門である中国では、仕事が出来る権利を奪われ、不法滞留者の境遇を悪用したブローカーの人権侵害で苦痛を味わった。ハナ院女性教育生248人の中で "中国で仕事した経験がある人" は70.6%(175人)だったが、この内 "正常な賃金を受け取り仕事をした" という人は76人(43%)で半分にも至らなかった。
これらは韓国にくる前に経る第三国でも "大変で記憶したくない経験" を体験した。2002年に脱北し2007年に韓国に入ってきたキム・ジンスン(49・仮名)氏は 「第三国収容所にいたが夜10時を越えればお手洗いに行けなかった」として「隈のごみ箱に小便をし朝こっそりと捨て軍人らに殴られたりもした」と話した。
人権侵害は入国後の国家情報院の調査過程でも続いた。2006年に入国したハン・ジュンヒ(43・仮名)氏は 「韓国に罪を犯してきた訳でもないのに国家情報院では虐待し大声を出して調査した」と話した。‘少数者’の地位も依然として続いた。今回の研究を進めたイ・ヒヨン大邱大教授(社会学)は「社会的差別のために脱北女性らは大部分が自身を‘朝鮮族’と紹介するなど、アイデンティティを隠している」と指摘した。
研究責任者を引き受けたパク・スンソン東国大教授は 「常時、脱北女性600人余りが教育を受けているハナ院に、心理相談士は契約職1人に過ぎない」として「脱北女性たちが人生の全体過程で累積してきた苦痛を治癒し、これらの社会適応を助ける対策準備が至急だ」と話した。
パク・スジン記者jin21@hani.co.kr
原文: 訳J.S