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忘れられるサハリン韓国人2世

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/405714.html

原文入力:2010-02-19午後09:12:15(1575字)
永久帰国対象から除外され 原爆問題進展なく…
韓国政府沈黙の中、日本知らぬフリ…恩恵受けられず
"選挙の時だけ政治家 覗きこむ" "過去の傷 癒されねば"

キル・ユンヒョン記者

京畿安山市‘故郷の村’に暮らすコ・チャンナム(75)老人会長は「ときおり集まる政治家たちがうれしくない」と言った。ここには60年を越える他郷暮らしを終えて故国に戻ったサハリン同胞たちが集まって暮らしている。これらの人々が政治家を敬遠するのは、選挙の時に少しの間訪ねてくるだけで実際に助けになることがないためだ。2008年総選挙の時も政治家たちが訪ねてきて「当選すれば必ず望ましい方法を作る」と念を押したが、まだ何の便りもない。

韓国と日本政府は1990年代末からサハリンに‘捨てられた’韓国人たちを故郷へ迎える‘永住帰国事業’を進めてきた。しかし対象が1945年8月以前に生まれた一世たちに限定されたので、帰国した老人たちは子供らと別れる離散の痛みを体験しなければならなかった。この問題を解決しようと2005年にハン・ミョンスク当時ヨルリンウリ党議員を中心に‘2世1世帯’の帰国・定着を助ける方法を作ろうという運動が始まった。永住帰国した1世の数が3552人という点を考慮すれば、対象者は3000人内外であると推算される。

しかし関連法案は第17代国会が終わるっても処理されず、結局自動廃棄され、今回の国会に入っても国会外交通商統一委員会で寝かされている。‘サハリン法案’を発議したキム・ヨンジン民主党議員の資料によれば、サハリン2世の永住帰国拡大に必要な予算は55億7000万ウォンに過ぎない。

原爆被害者問題も進展がないのは同様だ。被害一世たちは日本政府から治療費を支援されているが、2世問題は空白のまま残っている。原爆2世たちの中で稀貴病の先天性免疫グロブリン欠乏症などの後遺症を病んでいる人々は2300人内外と集計されている。しかし2世たちが病んでいる後遺症と原爆との因果関係は明確に究明されていない。チュ・ヨンス人道主義実践医師協議会共同代表は 「現在の医学水準でこれを究明することは容易ではないだろう」と話した。

関連法案は去る17代に続き18代国会にも提出されたが、該当常任委はこれまで討論の一度も行わなかった。この問題を初めて世の中に知らせた‘原爆2世’キム・ヒョンニュル氏は2005年5月35歳で亡くなった。ハン・ジョンスン韓国原爆2世患友会長は「毎日毎日、いつ死ぬかも知れない生活を送っている」として「日本政府と同じように因果関係を云々している我が国政府を見つめるのももう疲れた」と話す。

今年3月に満了する‘日帝強制占領下強制動員被害真相究明委員会’も来月、日本政府が渡す民間企業労務者らの供託名簿分析などの業務が残っており延長が必須だ。関連法案は該当常任委に提出されているが、世宗市などを巡る与野党対立で法が通過しなければ委員会は解体されるほかはない。

今年で日本が朝鮮を強制併合し100年をむかえるが、日帝が残した傷はまだ癒えていない。日本政府を相手に賠償金などを要求しているが、解決の道は遠く見える。一部では我が国政府も堂々と言うことができないという指摘を出している。ペ・ドクホ地球村同胞連帯(KIN)代表は「周辺には日本に手を広げずとも解決できることが多い」とし「私たち自らが傷を治療しようとする努力が不足している」と話した。

キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr

原文: 訳J.S