本文に移動

‘警察 内密調査記録’まで 国家情報院・検察・国税庁が見る

原文入力:2010-02-05午前09:56:52(1944字)
刑事情報統合システム施行令 予告…5月 稼動
単純参考人として調査された人まで網羅
国家機関ら‘個人 刑事事件 調査内容’共有

キム・ナムイル記者,キム・ヨンギ記者

警察が取調べ終結した懸案や単純参考人として調査された人の記録まで、検察が関連内容を覗いて見ることができる‘刑事司法情報システム’が5月から稼動する。国家情報院・国税庁・関税庁なども認証手順を踏めば情報を‘共同活用’できる。個人のすべての刑事事件関連記録と調査内容を網羅し、多くの国家機関が共有する、世界的にも類例のない統合システムが整備されるということだ。
これは罪目と刑量などだけを見られる既存の前科事実照会プログラムとは次元が違い基本権侵害憂慮が出てきている。

■システムは独立-内容は連係
2004年12月参加政府は電子政府構築課題の一つとして‘捜査-起訴-裁判-刑執行’を統合した電子文書システム構築構想を出した。警察・検察・裁判所・法務部が作成する調書・令状・控訴状・判決文などを保存・共有・処理し、業務効率を上げるという趣旨だ。

しかしこの事業は開始段階から政界と人権団体の反発をかった。蓄積される個人情報が過度に包括的で、情報管理主体が不明確だという理由からだ。警察内部でも警察が生産した情報を検察が無制限に活用することができるという憂慮が提起された。これについて警察と検察,裁判所はシステムを別に構築するものの、それを互いに連係させることで妥協を見た。他の機関の情報を見ようとすればログインなど認証手続きを踏むようにした。昨年末こういう内容を入れた‘刑事司法手続き電子化促進法’が国会を通過したのに続き、その施行令制定案が4日立法予告されシステム構築は仕上げ段階に入った。

■問題点
"特定人の過去捜査・内密調査記録を一度に見られる。捜査機関が(有罪の)予断を持つ恐れがあり、極端な場合(捜査を)かけつぎすることも可能だ。" ソウル地域のある警察官は刑事司法情報システムに対し「捜査効率性を高めることができるが、短所も明らかだ」と指摘した。

このシステムの問題に永らく関わってきたキム・ヒス弁護士は「刑事事件記録には被疑者だけでなく参考人,被害者の関連記録まで含まれる。そこには事件と格別関連のない友人が誰で、つきあっている人が誰なのかなど、あらゆる個人情報が入っている」とし「たとえば特定政治家を粗探しする情報を収集しようとすれば、ほとんど致命的に悪用されるだろう」と話した。国会法制司法委員会も昨年の法案検討過程で「情報集中と流通がやさしく情報の量と流通が速いほど誤・乱用の可能性も大きくなる」と指摘した経緯がある。

個人情報の集積はハッキングの危険を高めるという憂慮も出ている。情報システムには暴力事件などはもちろん、性売買,飲酒運転,はなはだしきは性暴行被害者や少年犯罪に関すること等の敏感な内容が皆集まる。

しかし警察は悪用される素地は一部で憂慮するほど大きくないと主張する。警察庁情報システム運営を担当しているキム・ジョンウォン係長は「システムは連係するだけで統合ではない。(検察などとは)サーバーも別に使っている」として「過去の内密調査記録などの場合、目録閲覧は可能だが詳しい内容まで見ようとすれば別に決裁を受けログインしなければならない」と話した。

■施行令補完すべき
法務部は新統合情報システムの長所として△事件の迅速・正確な処理で対国民司法サービスを改善し△犯罪の統計化・類型化等を通じ司法行政発展に役立つという点などを挙げる。また関連業務以外の用途に情報が乱用されないよう立法したと説明する。
だがイ・ジョンヒ民主労働党議員は「捜査機関の便宜より電子文書偽・変造やハッキングなどに対する安全装置の準備が優先されなければならない」とし法通過に反対した。キム・ヒス弁護士も「米国の場合、基本的な人的事項や前科などを共有するだけで、我が国のように数百万名の刑事情報を総体的に集積することは想像も出来ないこと」と話した。情報システム構築諮問委員だったソ・ポハク慶煕大教授(刑法)は 「敏感な個人情報は一ケ所に集めておくこと自体が危険だ」とし「システムに反対する意見が多かったが、特別な意見収斂なしで施行することには問題がある」と指摘した。

キム・ナムイル,キム・ヨンギ記者namfic@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/403033.html 訳J.S