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人権委‘北 実態調査’の意味は?

原文入力:2010-01-20午後11:06:49
北韓関連団体の研究 集大成 "どのように確認するか課題が残る"

パク・スジン記者

←去る2004年、日本フジTVが公開した咸鏡南道,燿徳収容所の様子. 連合ニュース

国家人権委員会が20日発表した‘北韓政治犯収容所実態調査’報告書は400ページを越える分量で、政治犯収容所の現況と運営実態,収容政治犯の人権侵害現況などが詳細に述べられている。

■報告書内容と評価
報告書は平安南道价川(ケチョン)の价川収容所,咸鏡南道燿徳(ヨドク)の燿徳収容所など計6ヶ所に20万人余りの政治犯が収容されていると明らかにした。収容所は忠誠度の高い熱情的収監者に小隊長,中隊長,班長,総班長などの職責を付与し、これらが他の収監者らを殴打したり命令する体系で運営されているという。また、そこは監獄のような集合形建物ではなく外部と遮断された一般農村の村,工場寄宿舎などであり自給自足体系を持っている。

ユン・ヨサン北韓人権情報センター首席研究員は「収容所内で秘密処刑,公開処刑,女性に対する性暴行が日常的に起きている」と話した。北韓で1990年代後半に食糧難が悪化し、住民たちの‘越境’が頻繁になるや離脱住民たちに対する弾圧も強化されたと報告書は明らかにした。

報告書はこのように北韓人権実態を膨大な規模で著したが、北韓関連政府機関や民間団体の研究成果を集大成するのに留まったという評価も出ている。統一研究院,大韓弁護士協会,北韓人権情報センターなどは定期的に‘北韓人権白書’等を発刊している。昨年10月ステファン・ハガードなど米国研究陣は2004年8月から翌年9月まで中国11ヶ地域に居住するセトミン(北離脱者)1346人,2008年11月韓国に居住するセトミン300人を対象にアンケート調査を実施し‘北韓収容所で生体実験が起きた’,‘新生児殺害を経験した’等の応答を受け取りもした。

ソ・ボヒョク梨花女子大平和学研究所研究教授(北韓政治)は「報告書に有意味な新しい内容はない」とし「このように獲得した情報に対する事実確認をどのようにすべきかという課題が残っている」と指摘した。

■ "北韓人権接近, 適切な方式探すべき"
人権委は今回の実態調査を通じて2005年から進行してきた北脱出者らの証言を通した北韓人権問題と関連した実態調査を一段落させた。人権委は今回の実態調査結果などを土台に、北韓人権問題解決のための‘政策ロードマップ’を提示する計画だ。

しかし北韓人権問題に対しては‘精巧な接近’が必要だという声が少なくない。キム・ヨンチョル ハンギョレ平和研究所所長は 「他の国家の人権問題が介入した勧告は政治的に敏感な事項であり、人権委がややもすると政治的に利用されかねない」と指摘した。

匿名を要求したある人権運動家は「人権委が実効性が不確かな実態調査を根拠に政府に政策勧告をするのではなく、国連人権理事会メカニズムにより‘北韓が国連の調査を受け入れなさい’という程度の立場表明をすることが妥当と考える」と話した。

パク・スジン記者jin21@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/400053.html 訳J.S