共に民主党の“変化”を掲げて当選したソン・ヨンギル党代表が「民主党政権」と「党の主導権」を強調し、党と大統領府の関係の変化を予告した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領もこれを認め、「不協和音のないワンチーム」として協力することを要請した。与党と大統領府の関係において、与党が実質的な影響力を持って10カ月後に迫った大統領選挙を準備していけるかどうかに注目が集まっている。
ソン代表は3日の記者懇談会で、「文在寅大統領が民主党政権だと強調したが、これまで文在寅政権か、それとも民主党政権かというと、やはり“民主党政権”としての性格は弱かった」とし、「政策は党よりも大統領府が主導したものが多かった」と述べた。文大統領はこれまで「民主党政権」を強調してきたが、大統領府主導で党と大統領府の関係が形成され、政策も実行されたということだ。ソン代表は「党が政策を主導しなければならない。わが党が中心になって次期政権の政策をきちんと準備してこそ、新たに(当選した)大統領が政策を貫き、政権を運営することができる」と付け加えた。来年の大統領選挙準備のため、党主導で党と大統領府の関係を立て直す意志を示したのだ。これは、文在寅大統領が支持率下落でレームダックの危機に陥った状況で、政権を再度築く任務を担う党へと主導権が自然に移る流れが反映されたものとみられる。
文大統領は、イ・チョルヒ政務首席秘書官を通じて与党の主導権を認めた。同日午前、国会を訪れ、ソン代表を表敬訪問したイ・チョルヒ政務首席は「これからは党が主導するのが正常であり、自然だ」とし、「大統領もいつもそう言っている」と強調した。さらに「ただし、『党と政府の間に対立があるかのように不協和音や対立が外部に表出すれば、国民が不安になる。そのようなことにならないよう、政務首席が国会に行って意見を聞き、緊密にコミュニケーションを取る役割を果たすように』と(大統領に)言われた。だから、これからソン・ヨンギル代表を追いかけるつもりだ。たびたび電話をかけ、必要なことを聞き、こちらからも伝える」と付け加えた。大統領府が与党主導の調和のとれた党と大統領府の関係の確立を与党に求めたのだ。文大統領は同日、ソン代表に電話をかけ、「代表中心にワンチームを作ることが重要だ。ソン代表は協力を重視する方なので、うまく行くと信じている。党と政府、大統領府がともに変化する姿を見せなければならない」と述べ、ソン代表を後押しした。大統領府関係者は「選挙が近づくと、党の声が大きくなるのは当然だ。対立として表面化するのは問題だが、そんなことはないと思う」と述べた。 党が主導権を握り、党と大統領府の意思疎通を強化して意見の相違をまとめ、団結するのが大統領選勝利への道だという説明だ。