本文に移動

大混雑の電車を避けてバスに乗ったら ‘富川~孔徳 3時間’

原文入力:2010-01-04午後09:11:06
‘ハンギョレ’ イ・ジョンギュ記者の出勤記
汝矣島行きバスに乗って1時間…地下鉄2駅の距離も進めず
自暴自棄ナの心情 ‘遅刻報告’…孔徳洞までの ‘残酷出勤’

イ・ジョンギュ記者

←20cm以上の大雪が降った4日午前、ソウル,麻浦区,城山洞のワールドカップ競技場バス停留場で市民がバスを待っている キム・ミョンジン記者littleprince@hani.co.kr

朝6時50分、喧しいアラームの音に目をあけると、妻が心配気な表情で携帯電話の文字メッセージを押しつける。‘京畿地域 大雪特報 発令.’災難警報の携帯メールだ。

ベランダの窓を開けてみると、流行語ではないが確かにただ事ではない。道路にはすでに車道と歩道の区別も難しいほど雪がたっぷり積もっており、空から激しく降りしきる雪が休む暇もなく舞っている。世の中が灰色の光でいっぱいだ。

‘新年初出勤なのに…’という考えで、普段より早く7時30分頃に京畿富川市,素砂区,範朴洞の自宅を出た。大通りに着くとのろのろと長い車列とバスに乗るために車道に降り立った人々で修羅場になっていた。予想以上に状況が深刻だ。
出勤準備をする妻に知らせる必要があるだろう。「車に乗って行こうなどと最初から思わないほうがいいよ。」

←4日午後、ソウル,麻浦区,東橋洞の道路で近所のスノーボード専門店の職員が片側に片づけた雪を積み上げスノーボードに乗っている。 キム・ジョンス記者jong@hani.co.kr

バスが停留所に到着する度に人々が駆け寄るなかでバスを何台も見送ってようやく地下鉄1号線駅谷(ヨッコク)駅行バスに乗った。普段10分程で行けるのに今日は20分を軽く過ぎた。駅谷駅に到着したのが8時10分頃。内心 ‘それでも電車にさえ乗れば大丈夫だ’ と考えゆったりと階段を上がった。

しかしこれはどういうことだ? 駅に入るやいなや目に映った光景は期待を小気味よく打ち砕いた。乗り場はもちろん、改札口から乗り場に至る階段さえ人々が群がり足の踏み場さえない。

‘列車運行が遅れている’ という放送に焦燥感を抱いた。とうとう乗り場にいた何人かの乗客が電車をあきらめ人波に逆らい階段を上がってくる。いらいらした私も一緒にバス停留所へ向かい、ソウル,汝矣島行バスに身を任せた。しかしその刹那の選択が ‘不幸の始まり’ だった。

少しは走るようだったバスは数分後にはピタリと停まった。雪爆弾に足止めをくった新年初出勤の京仁路は巨大な駐車場のようだった。バスに閉じ込められた乗客は誰も彼もが携帯電話を取り出し会社に遅刻事態を報告するのに忙しい。苦しさをこらえられずに停留所でもないところで降りる市民も後を絶たない。

バスに乗って1時間。相変らずソウル,九老区,梧柳洞を抜け出せずにいる。駅谷駅から梧柳駅まで電車で2区間に過ぎない距離なのに今日ほど遠く感じたことはない。

携帯電話に飛びこんできた災難警報の携帯メールはソウル郊外周辺循環高速道路,仁川~富川一部区間の進・出入が完全に統制されたことを知らせている。反対に心がゆったりとしてきた。名実共に‘災難状況’ではないか。ちょっと遅れると言ったものの、ええいままよ。会社に勇敢に携帯メールを送った。 “完全駐車場です。出勤遅れます。”

バスに乗り1時間50分が過ぎた10時頃、うれしい案内放送が流れた。 “次の停留場は新道林駅です。” 新道林駅は京仁路から最も近い1号線地下鉄駅だ。おりるやいなや急ぎ足で歩き逆に走った。我を忘れ電車に乗り時計を見ると10時3分だ。駅谷駅では遅延云々言って引き返させていた薄情な電車は何食わぬ顔で走っている。‘そうだよ、誰がバス乗れって言った?’と私の選択をあざ笑うかのように。

地下鉄5号線孔徳駅で降り、会社に到着した時刻は午前10時36分。家を出て正確に3時間6分ぶりだ。普段ならば1時間10分で十分な出勤の出勤だが、この程度なら ‘孤軍奮闘’ と冗談言っても差し支えないのではないだろうか。 イ・ジョンギュ記者jklee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/397006.html 訳J.S