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検察捜査審議委員会の「検察総長側近不起訴」勧告に、捜査チーム反発

登録:2020-07-25 06:51 修正:2020-07-25 07:32
15人のうち10人が「ハン検事長への捜査中止」意見 
11人が不起訴意見…過半数の賛成で議決 
記者については捜査継続12人、起訴9人 
 
中央地検の立場文「ハン検事長は捜査中の状況 
携帯電話のフォレンジックもまだ行なっていない」
ハン・ドンフン検事長(左)とヤン・チャンス検察捜査審議委員会委員長(中央)が今月24日午後、ソウル瑞草区の最高検察庁で開かれた「検察とマスコミの癒着」疑惑事件捜査審議委員会に出席するため、庁舎に向かっている。右はユン・ソクヨル検察総長=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 最高検察庁の検察捜査審議委員会(ヤン・チャンス委員長)が「検察とマスコミの癒着」疑惑事件と関連し、拘束されたイ・ドンジェ前チャンネルA記者については「捜査の継続および公訴提起」を、ハン・ドンフン検事長については「捜査中止および不起訴」を検察に勧告した。捜査審議委の結論は勧告的な効力を持つだけで、捜査チームが必ず従う必要はない。

 捜査審議委は24日、懸案委員会を開き、このような勧告意見を出席委員の過半数の賛成で議決した。同日の懸案委にはヤン・チャンス委員長のほか、法曹界や学界、市民団体など各分野の専門家150~250人のうち、無作為に抽選された懸案委員15人が出席した。委員長は票決に参加しない。

 同日の案件は、イ前記者とハン検事長の強要未遂罪などに対する捜査の継続および公訴提起の可否だった。審議の結果、イ前記者に対しては過半数の賛成で捜査継続(12人)及び公訴提起(9人)が議決された。ハン検事長に対しては、捜査中止(10人)と不起訴(11人)で意見がまとまった。ハン検事長の弁護人であるキム・ジョンピル弁護士は「委員会の賢明な決定に感謝する」という内容の短い意見文を発表した。

 同日午後2時から始まった会議では、捜査チームと事件関係者らが全員出席し、各30ページ分量の意見書を提出し、それぞれ意見を述べた。彼らは委員たちの質問に答えた。意見陳述は、捜査チームのソウル中央地検刑事1部のチョン・ジヌン部長検事やイ・チョル元バリューインベストコリア(VIK)代表、イ・ドンジェ前チャンネルA記者、ハン・ドンフン検事長の順で行われた。これまで明らかになった証拠だけでは「強要未遂罪は適用できない」として捜査チームと異なる意見を持っていた最高検察庁刑事部は懸案委に意見書を提出しなかった。

 イ前記者の弁護人が最近全文を公開した、いわゆる「釜山録音文字起こし記録」(今年2月13日、イ前記者とハン検事長が会って交わした対話)で、検事長が言った「それはやっていいだろう」、「そのうち、なにか引っかかればいいだろう」という内容が単に取材を促したものなのか、イ・チョル元VIK代表への脅迫を共謀したのかについても議論されたという。捜査チームは同日、懸案委員会で「釜山録音文字起こし記録」のほか、二人の通話内容など多くの資料を提出したとされる。

 同日の捜査審議委の勧告決定を受け、イ前記者とハン検事長の共謀関係を立証しようとする検察捜査がつまずくのは避けられないものと見られる。検察は今年2~3月、イ前記者がハン検事長と共謀し、盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団のユ・シミン理事長の不正疑惑を取材する過程で、イ・チョル元代表に手紙などを送って脅迫したものと見て、4月から3カ月以上捜査を続けている。17日、イ前記者を強要未遂の疑いで拘束した検察は、21日にはハン検事長を取り調べ、捜査の重心をハン検事長に移していた。しかし、ハン検事長の強要未遂罪共犯疑惑に対し懸案委員の多くが捜査の妥当性に疑問を呈したことで、検察としては負担を抱えることになった。

 ソウル中央地検は捜査審議委の決定に「納得しがたい」という立場を明らかにした。捜査チームは立場文を発表し、「ハン検事長から押収した携帯電話のフォレンジックにも着手しておらず、1回目の被疑者取り調べも完了していない状況であることから、『捜査継続』の意見を述べたにもかかわらず、捜査中止および不起訴の意見を議決した点は納得できない」と主張した。捜査チームは「これまでの捜査内容や裁判所のイ前記者に対する拘束令状発行の趣旨、捜査審議委の意見を総合的に考慮して捜査および処理方向を決める」と明らかにした。

キム・ジョンピル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/955149.html韓国語原文入力:2020-07-25 02:05
訳H.J