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蔚山の市民団体、日帝強占期における強制徴用被害労働者の証言本を出版

登録:2020-07-16 07:00 修正:2020-07-16 07:39
蔚山キョレハナ『私は炭鉱で解放を迎えた』を発刊
『私は炭鉱で解放を迎えた』の表紙=蔚山キョレハナ提供//ハンギョレ新聞社

 日帝強制占領期(日本の植民地時代)における蔚山(ウルサン)地域の強制徴用被害者たちの証言を収録した本が出版された。

 蔚山の親日賦役清算・歴史を立て直し団体「蔚山キョレハナ(民族は一つ)」は15日、過去3年間、民主労総と韓国労総蔚山本部とともに日帝強占期の強制徴用被害労働者とその子孫探し事業を行い、その結果を『私は炭鉱で解放を迎えた』という題名の本にまとめたと発表した。同書は、日帝強占期末に蔚山と近隣地域から広島、九州、北海道やロシアのサハリンまで、ダム建設工事現場や炭鉱などに強制徴用された被害者のうち、現在蔚山に生存している4人を探し出して、当時の状況を説明した内容が書かれている。また、「日帝強占期における強制動員被害の真相究明委員会」の強制動員被害者の口述資料のうち、蔚山地域の被害者2人の口述資料も探して掲載した。この他、過去3年間の蔚山強制徴用労働者・子孫探しの結果や、強制徴用被害者リスト、蔚山の強制動員作業場リストなども収録した。

 国家記録院に登録された日帝強占期における蔚山の強制徴用被害労働者の数は6313人だ。当時の朝鮮総督府統計の蔚山人口が1930年14万5804人、1945年15万345人だったことから、当時働ける成人男性2、3人に1人は強制徴用されたものと推定される。

 また、蔚山の強制徴用被害申告者1818人のうち1586人が日本をはじめロシアや南洋群島、中国、フィリピン、インドネシア、台湾などに、残りの232人は国内に動員されたことが分かった。当時、蔚山だけでも、三山飛行場の工事現場や蔚山炭鉱など、強制動員作業場が25カ所もあったという。

 蔚山キョレハナは「強制徴用労働者と子孫探し事業を行い、徴用労働者の家族や子孫の大半が、自分の父親と祖父がいつどこに徴用されたのかをよく分からないことや、国家記録院に登録されている人より登録されていない被害者が多いこと、徴用されたが、証明できる資料やそれを証言できる人がいない場合が多いことなどが分かった。これまで国と社会が徴用被害者の苦痛と涙に背を向けてきたからだ。今でも徴用の歴史を一つ一つ記録・整理し、研究・記憶して、二度とそのような歴史が繰り返されないよう国と地方自治体が乗り出さなければならない」と指摘した。この本はすべて地域関連団体と公共図書館に寄贈された。

 蔚山キョレハナは昨年、3・1運動動100周年を迎え、民主労総・韓国労総蔚山本部とともに市民・労働者の募金で蔚山大公園東門広場の平和の少女像の隣に、蔚山強制徴用労働者像を建立した。

シン・ドンミョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/953733.html韓国語原文入力:2020-07-15 21:53
訳H.J

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