（1）結局は“民主党の衛星政党”に
正義党、民生党の不参加で「汎与党連合」は消え
現役議員が移籍すれば「議員貸し借り」批判は避けられず
（2）交渉過程の難題も満載
各党が当選圏への配置めぐり争う可能性
先に発足した二団体の交通整理も影響要因
（3）中道層の票に悪影響
選挙区の中道層の支持者が背を向ける可能性
「弾劾阻止」は説得の名分としては力不足
全党員投票で比例連合政党への合流を決定すると8日に予告した共に民主党が、投票日を12日に確定したことで、リベラル・進歩陣営の連合政党が実現するかどうかが本格的なカウントダウンに入った。「第1党死守」のための現実論に一歩近寄ったということだが、党内外の懸念も高まっている。連合政党は結局「民主党だけの衛星政党」だというフレームからも脱しがたく、選挙期間中は連合政党をめぐる不協和音も避けられないという診断が出ている。
民主党のカン・フンシク首席報道官は9日、「全党員投票は12日に行われるものと思われる。80万人の党員が参加する最も大きな意思決定の単位であるため重みがある」とし、「現職議員らの意見収れんのために、10日午後に議員総会を開く予定」だと明らかにした。民主党は12日朝から24時間電子投票を行ない、13日の最高委員会と14日の中央委員会を経て最終決定を下す予定だ。
■脱しがたい「民主党衛星政党」フレーム
党員投票をすれば「連合政党参加」の意見が優勢になるものとみられるが、党内の反対世論も根強い。正義党と民生党が参加しなければ連合政党の波及力が落ちるだけでなく、“民主党だけの”衛星政党というフレームが生じざるをえないからだ。民主党の首都圏の多選議員は「正義党や民生党のように『4+1』で協力していた政党が参加しなければ、国民の目には民主党の衛星政党としか映らない」と言い切った。同じ脈絡で、前順位の記号（国会議席数の順で所属政党に振られる候補者番号）を得るために現職の民主党議員が比例連合政党に移籍すれば、これもまた未来統合党の「議員貸し借り」と同じだという批判も避けられない。
正義党のキム・ジョンミン副代表はこの日、党常務委員会で「民主党は『ネロナムブル(自分がやるのはロマンスだが他人がやるのは不倫＝自分は棚にあげて他人を非難すること例え）』をやめ、比例政党をやめるべきだ」と求めた。民生党のキム・ジョンファ共同代表も「連合政党への参加は結局、民主党と未来統合党が既得権たる二大政党制で共生している関係であることを自ら証明するもの」と非難した。
■交渉過程の“難題”も満載
連合政党結成後の交渉過程も容易ではない。民主党の一部からは、予想比例獲得議席数である7議席を連合名簿の若干後ろの方に配置するなどのアイデアが出ているが、実際の交渉過程では各政党が当選圏に何名ずつ配置するかをめぐって争いが生じうる。何番からを若干後ろの方と見るかもはっきりしておらず、どの勢力を前の方の順位に置くかも決まっていない。民主党指導部のある議員は「参加する政党は各自の要求事項を持って交渉に臨むため、(参加勢力が)連合名簿の順位に同意する過程は容易ではないだろう」と予想した。
連合政党を推進する二つの団体の“交通整理”問題も残っている。連合政党結成を推進する団体は、進歩性向の人物が中心となった「政治改革連合」とウ・ヒジョン、チェ・ベグン両教授が共同代表を務めるプラットフォーム政党「市民のために」の二つ。民主党の主要な関係者は「両方と話しあっている。参加することに決まれば、方法は今後決める」と明らかにした。投票後の計画はまだ明確でないということだ。
■論議が繰り返されれば中道票に悪影響
民主党の選択が結果的に中道層の票に悪影響を及ぼすという憂慮も少なくない。民主党のソル・フン最高委員はこの日午前、「文化放送」(MBC)ラジオに出演し、「(連合政党論議は)何とか引き留めている中道層の票を揺さぶる。戦略上正しくない」と述べた。政治コンサルティング「ミン」のパク・ソンミン代表も、ハンギョレの電話取材に対し「『文在寅(ムン・ジェイン)大統領弾劾を阻止しなければならない』という民主党の主張は、中道層を説得するだけの十分な名分にはならない。(連合政党が)総選挙で民主党の実益につながるのは容易ではないだろう」と見通した。
訳C.M
