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セウォル号特捜団、海警本庁など初の家宅捜索…「海警の救助活動」に焦点

登録:2019-11-23 03:33 修正:2019-11-23 07:59
発足2週間で海警本庁、西海地方海警庁などを家宅捜索 
特捜団「海洋警察に向けられた疑惑の捜査が目的」 
海警の故イム・ギョンビン君「救助放棄」疑惑など探るもよう
惨事の5年数カ月後にようやく最高検察庁傘下に組織された検察の「セウォル号惨事特別捜査団」の団長を務めるイム・グァンヒョク水原地検安山支庁長が11日午後、ブリーフィングを行うためソウル瑞草洞のソウル中央地検小会議室に向かっている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 セウォル号惨事特別捜査団(特捜団、団長:イム・グァンヒョク水原(スウォン)地検安山(アンサン)支庁長)が、発足11日にして海洋警察本庁を家宅捜索するなど強制捜査に突入した。海洋警察に対する全面的な家宅捜索を捜査の出発点とした特捜団は、救助失敗の責任が海洋警察の首脳にあったと見て、捜査力を集中している。

 特捜団は22日、仁川延寿区(インチョン・ヨンスグ)の海洋警察庁本庁、全羅南道木浦(モッポ)の西海(ソヘ)地方海洋警察庁、木浦、莞島(ワンド)、麗水(ヨス)海洋警察署など10カ所あまりに検察課捜査官を送り、セウォル号惨事当時に作成された各種資料を確保した。家宅捜索の対象には、セウォル号惨事の際に救助の現場指揮船だった木浦海警所属の3009艦も含まれており、航海日誌や証拠映像などを確保したという。特捜団関係者は「セウォル号惨事に関して海洋警察に向けられている疑惑を捜査する目的で家宅捜索に入った」と述べた。

 特捜団はまず、セウォル号惨事の犠牲者である故イム・ギョンビン君に対する海洋警察の「救助放棄」疑惑を探るものとみられる。「加湿器殺菌剤事件および4・16セウォル号事件特別調査委員会」(社惨委)は先月13日、イム君がセウォル号惨事当日、応急処置によって脈拍などのバイタルサイン(生命兆候)が戻ったものの、ヘリ搬送が行われなかったため、結局命を失ったと発表した。イム君がヘリコプターで運ばれる機会は3度もあったものの、3009艦に到着したヘリコプターはみなキム・ソッキュン海警庁長やキム・スヒョン西海海警庁長などの海洋警察幹部を乗せて現場を離れた。これに社惨委はキム・ソッキュン庁長とキム・スヒョン西海庁長、キム・ムンホ木浦海警署長と3009艦の艦長の計4人の海洋警察幹部に対して業務上過失致死容疑を適用し、捜査を要請した。特捜団は同日、イム君が移送されたP-22艇を強制捜索し、社惨委からイム君の救助当時の状況が映った映像も提供を受けた。

 「白書を書く心情」で、分単位で2014年4月16日を蘇らせると述べる特捜団は、記録検討を通じて海洋警察幹部の責任を究明することに捜査力を集中する予定だ。検察関係者は「救助できなかった責任を123艇のキム・ギョンイル艇長のみに負わせるのかという問題」だとし、「当日、海警首脳がどんな報告を受けて、どんな行動をしたのか再現することが重要」と語った。2014年10月に検察はキム艇長のみを業務上過失致死容疑で起訴し、「トカゲのしっぽ切り」と批判されている。

 今月11日に発足した特捜団は、11日間にわたって社惨委などから受け取った記録などをもとに関連疑惑を原点から総合的に検討してきたという。検察は社惨委が4月に告発した「セウォル号CCTV(防犯カメラ)改ざん疑惑」と「4・16セウォル号惨事被害者家族協議会」が15日に告発した惨事の責任者40人に関する捜査も進める予定だ。特捜団は、先週15日に社惨委側と会って意見を交換し、17日にはセウォル号が引き揚げられた木浦新港で家族協議会側と会い、セウォル号の船体の内部などを調査している。

イム・ジェウ、チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/918075.html韓国語原文入力:2019-11-22 11:14
訳D.K