本文に移動

朴槿恵の国情院、独立運動家の呂運亨記念事業も弾圧

登録:2018-10-04 10:10 修正:2018-10-04 12:16
記念事業会「国情院が問題視したため、報勲処の支援が中断」 
報勲処「告発があり違法・不当行為の有無を調査中」 
予算支援中止の後、楊平郡は記念館の運営者も変更
71周忌追悼式が行われた先週7月19日、夢陽・呂運亨先生の墓に文在寅大統領が送った弔花が置かれている=写真/夢陽・呂運亨先生記念事業会提供//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)政府時期の国家情報院が、独立運動家の夢陽・呂運亨(ヨ・ウンヒョン)先生記念事業会(理事長イ・ブヨン)に対する予算支援を中断するよう、国家報勲処に圧力を行使したという疑惑が提起された。呂運亨は、日帝強制占領期(日本の植民地期)の代表的な独立運動家であり、解放後は左右合作を主導し1947年に暗殺された。2005年に建国勲章大統領章と2008年に建国勲章大韓民国章が追叙された。

 2日、夢陽記念事業会の話を総合すると、記念事業会は2011年11月27日にオープンした京畿道楊平郡(ヤンピョングン)楊西面(ヤンソミョン)新院里(シンウォンリ)の夢陽記念館を委託運営してきており、2013年には国家報勲処の顕忠施設(殉国者を祭る施設)として登録した。また、記念事業会は2011年から楊平郡と国家報勲処の予算支援で展示、教育など各種事業を活発に行ってきた。報勲処が全国58の顕忠施設を対象に実施した「満足度調査」でも、夢陽記念館は8位を記録するほど良い成果が表れた。

 しかし、報勲処は2016年5月、明確な理由もなく毎年3千万~5千万ウォン(約300万~500万円)を支給していた「顕忠施設活性化予算」支援を中断した。これによって記念事業会は2016年以降、該当予算の支援を受けられず、報勲処は顕忠施設の活性化予算ではない他の項目に迂回して補助金を支給した。

 当時、報勲処は支援を中断した理由を明確に説明しなかった。これと関連してチャン・ウォンソク記念事業会事務局長は「当時、非公式に報勲処の多くの関係者から『国家情報院が、2015年に夢陽記念館で開いた光復70周年教育プログラムに問題があると指摘した。予算を支援することが困難になった』という返事を聞いた」と明らかにした。

 光復70周年教育プログラムのうち、国情院が問題視した教育プログラムは「夢陽歴史アカデミー」の「人物から見る解放戦後史」だった。このプログラムは解放前後に活動した李承晩(イ・スンマン)、宋鎮禹(ソン・ジヌ)、金日成(キム・イルソン)、朴憲永(パク・ホニョン)など、左翼・右翼の指導者たちの活動を詳しく知るものだ。主に進歩性向の歴史学者たちが講義を担当した。これと関連し、記念事業会は「独立運動家団体にまで理念問題を突きつけ予算支援を中断したことは、大韓民国の正統性を否定して民族の精気を断ち切る行為であり、必ず真相を究明しなければならない」と要求した。

昨年7月19日、白凡記念館で夢陽・呂運亨先生死去70周忌追悼式が行われている=写真/夢陽・呂運亨先生記念事業会提供//ハンギョレ新聞社

 また、報勲処の予算支援が中断された2016年12月、楊平郡は「記念館の運営がずさんで地域社会に貢献していない」などの釈然としない理由で新しい民間運営者を募集した。当時「祥明大学校産学協力団ー楊西面新院1里セマウル会」コンソーシアムが新しい運営者に選定された。

 ハンギョレの取材の結果、祥明大学とセマウル会の委託契約の過程は疑惑だらけだった。まず記念館の委託運営者募集締め切り前日の2016年12月15日に口頭で契約した後、翌日の16日に受け付けた。また、27日に運営者に選定された後の28日に正式な了解覚書を交わしたことが確認された。同記念館の運営資格は「近現代史に関連する非営利法人や研究団体」だが、当時この契約を主導した祥明大学教授は考古学専攻者であり、セマウル会はこのような記念館の運営能力や経験がないにもかかわらず、コンソーシアムに参加したことが明らかになった。現在、これに関する行政訴訟も進行中だ。

 このような疑惑と関連し、国家報勲処は「最近発足した『違法・不当行為再発防止委員会』が事件を受け、事実関係を調査中だ。後日調査結果を発表する」と明らかにした。

キム・ギソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/864310.html韓国語原文入力:2018-10-03 19:57
訳M.C

関連記事