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1日午前、ソウル瑞草区の最高検察庁前で開かれた検事の性的暴力事件の真相究明を求める記者会見で、ある参加者が性的暴行告発運動であるMeTooキャンペーンの象徴である白いバラの花一輪を持っている＝ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

　検察発「#MeToo」(「私も」の意味を示す性的暴力告発キャンペーン)が、韓国社会の最上層エリート社会全般に広がっている。検察高位幹部に続き、財閥オーナー、検事長出身の法務法人代表、放送局局長などの性的な醜聞が相次いで暴露されるなど、特権層であるエリート社会の隠されてきた実情がMeTooの波に洗われて素顔をあらわにしている。

　米ハリウッドの大物制作者であるワインスタインが有名女優たちの「MeToo暴露」の末に追い出されたように、韓国内の“ワインスタインたち”も適切な処分を受けることになるのかにも注目が集まっている。さらに、エリート階層の暴露に触発されたMeToo波紋が韓国社会全般のジェンダー文化の変化につながるかに関心が集まっている。

　2日、法曹界を超えて財界でも暴露が噴出した。パク・サムグ錦湖アシアナグループ会長(73)が、アシアナ航空の女性乗務員たちを抱きしめたり、手を触るなどの不適切な身体接触を日常的に行っていたという主張が、内部職員たちによって提起された。パク会長がソウル江西区のアシアナ航空本社(タウン)を訪問する毎月第一木曜日の朝、乗務員たちが会社のロビーに集まって拍手をしたり抱擁をしてパク会長を迎えなければならなかったという。会社の管理者たちは「会長に会ったら駆けつけて抱擁されなさい」と指示し、パク会長は「気をもらいにに来た」と言ったという証言も出ている。会社員の匿名掲示板アプリ「ブラインド」には、このようなパク会長と関連した自身の経験を公開するなど「MeToo」運動が広がっている。財閥オーナーの不適切な行為が「MeToo」の対象になったのは韓国社会では初めてのことだ。

　共に民主党のイ・ジェジョン議員も、弁護士就業準備中だった13年前に、検事長出身のローファーム(法務法人)代表からセクハラを受けた経験があると公開的に明らかにし、「MeToo」の隊列に加わった。イ議員はこの日CBSラジオ「キム・ヒョンジョンのニュースショー」に出て「(加害者は)就職しようとしていた法律事務所の代表だったが、(セクハラ)以後もその方は引き続き電話してきた」とし、「(被害を受けていた当時)なぜ自分がもっと強くだめだと言えなかったのかという自責と悔しさが長い間脳裏を離れなかった。胸をかきむしって出たソ・ジヒョン検事の涙に濡れた声が私に勇気を出させた」と話した。

　放送局である「全南CBS」の報道局長からセクハラを受けたPDが問題提起をしたところ、二度も不当解雇された疑惑もネチズンの間で再び注目を浴びている。

　専門家らは、噴出した「MeToo」が特権層エリート社会に一過性の衝撃を与えることを超え、韓国社会全般の変化に進む輪を確保する必要があると強調した。キムミン・ムンジョン韓国女性民友会代表は、ハンギョレとの通話で「(今回のMeToo運動をきっかけに)性的暴力事件が暴露された組織は、その組織がこの問題に厳しく対処するというメッセージを出さなければならない」と話した。イ・ソンギョン弁護士(民主社会のための弁護士会女性委員会)は「エリート集団でも噴出したMeTooが、誰でも性犯罪を犯すとその地位が危うくなりうるという認識を与える効果を生む可能性がある」と話した。

　昨年ハリウッドの有名女優たちの参加で大きく広がった「MeToo」も、その出発は2007年の米国の黒人女性運動家タラナ・バークの提案だった。国内でもすでに一般の人たちの「MeToo」は長きにわたって展開されてきたことを思い出さなければならないという声も出ている。「韓国女性の電話」のコ・ミギョン共同代表は「MeTooはすでに韓国社会のいたるところにあった。性的暴力事件が加害者の過ちで起こることだという認識が拡散したことで、上層部のMeTooに広がったものであることを忘れてはならない」と話した。