熱帯や亜熱帯地方の塩湿地で見られるフラミンゴが西海岸のセマングム干拓地に現れた。飼育地から脱出した個体でなければ、フラミンゴが韓国で野生状態で観察されたのは今回が初めてであるため注目を集めている。
韓国で最も近いフラミンゴの生息地は5000キロメートル以上離れたカザフスタンであり、このフラミンゴがどのように、なぜ韓国に来ることになったのかにも関心が集まっている。
韓国野生鳥類保護協会のユン・スニョン理事長は25日、セマングム干拓地の水が溜まった所で一羽のフラミンゴが餌を食べて休憩しているのを目撃し、写真を撮影したと28日明らかにした。ユン氏は「カルガモとカモメの休息地でフラミンゴが一羽、特有の曲がった分厚いくちばしを左右に揺らして水の中から餌を探し出していた」とし、「1時間ほど餌を食べて20分あまり休息をとり、羽の手入れをするなど正常な行動を続けている」と話した。
ユン氏はまた「このフラミンゴは人の気配にとても敏感でよく飛んで行き、人に慣れた個体には見えなかった」と話した。ユン氏は昨年からフラミンゴが現れるという情報提供に接し、追跡してきたところだった。
ソウル動物園フラミンゴ飼育士のソン・セヨン氏も「昨年からフラミンゴ一羽が現れるという情報を受けて点検してみたが、ソウル動物園と他の動物園の多くで逃げた個体はいなかった」とし、「昨年には若い個体だったが、今年は成長した個体という点が異なる」と話した。彼は、飼育するフラミンゴはたいてい翼を切っているため遠くに飛ぶことができないとし、発見されたフラミンゴが逃げた個体である可能性は低いと見た。
中国でも最近、フラミンゴがよく目撃されている。北京探鳥協会は1990年代以降、フラミンゴの観察の回数が34回に達し、一番最近では2015年12月に北京の温楡河に現れたと明らかにした。中国では主に若い鳥が冬の間観察されるのが特徴だ。
韓国で最も近い大フラミンゴの繁殖地はカスピ海とカザフスタン、アフガニスタン、パキスタン、インドなどであり、繁殖地と越冬地の間を群れをなして移動する。
慶煕大学生物学科のユ・ジョンチル教授は「初めて冬を迎えた若い鳥は越冬地に移動する間に気力が尽きたり、休んでいて群れから離脱して迷子になったりする」、「気候変動がこのような生息地の変動を引き起こすのかは、今後続けて観察し研究すれば分かる」と話した。