文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任から4日目の14日、北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射した。北朝鮮の意図に関わらず、韓国新政府の身動きの幅を狭める結果につながる可能性が高い。文大統領がこの日、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を主宰した席で「北朝鮮が誤った判断をしないよう、挑発に対しては断固として対応しなければならない」とし、「対話が可能とはいえ、北朝鮮の態度変化があってこそ初めて可能であることを示さなければならない」と強調したのもこのような脈絡からだ。
専門家たちの説明を総合すると、北朝鮮はこの日、ミサイルを高角発射して射程を推定するしかないようにした一方、着弾地点も日本領海ではない東海上に合わせた。これは、ミサイル発射による国際政治的波紋を減らすために北朝鮮が技術的側面で精密に「水位調節」したことを傍証する。
北朝鮮の意図に対してはさまざまな解釈が可能だ。一部では、この日が中国政府が心血を注いできた「一帯一路(陸・海上シルクロード)国際協力首脳フォーラム」開幕日という点で、北朝鮮が最近、対北朝鮮圧迫への協力に出た中国に「警告メッセージ」を伝えようとしたという話もあり、新たに発足した文在寅政権に対する「探り」だという指摘もある。一方、韓国政府当局者は「4月に実施した3回の弾道ミサイル発射実験が続けて失敗したと思われるが、今回はそれなりに成功したと見られる」とし、「発射時期を新政府発足や一帯一路首脳フォーラムに合わせようとしたというよりは、北朝鮮が自分たちの計画に従って発射実験をしたものと見る」と話した。
外交安保チームの人選さえできていない状態で、北朝鮮のミサイル発射によって、新政権の足取りはさらに早まりそうだ。コリア研究院のキム・チャンス院長は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時は、金大中(キム・デジュン)政権が成し遂げた成果のおかげで南北関係のモメンタムが生きていたにも関わらず、北朝鮮の核・ミサイル問題で南北首脳会談が任期末に見送られた」とし、「李明博(イ・ミョンバク)、朴槿惠(パク・クネ)政権を経て南北関係が破綻した状態から、新たに南北関係を確立しなければならない立場の文在寅政権としては、(北朝鮮のミサイル挑発で)発足初期から困難な状況に置かれることになった」と話した。
キム所長はさらに、「米国は圧迫を通じて北朝鮮を交渉の場に引き出すという立場である一方、北朝鮮はミサイルの性能を最大限に引き上げて確実な威嚇の手段を備えた後で米国と談判するという意図」だとし、「しかし、絶え間ない挑発で中国と韓国を困惑させるのは、究極的に米朝対話の環境を造成するのに役立つことはないだろう」と強調した。
慶南大学極東問題研究所のキム・ドンヨブ教授は「(最近朝米接触が行われた)ノルウェーのオスロでも確認されたが、北朝鮮は自分たちが作った日程表に従って行動を続けている」とし、「北朝鮮は米国との本格的な交渉に入るのに先立ち、どうにかして大陸間弾道ミサイル(ICBM)カードを確保しようとするだろう」と見通した。