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中国軍用機の“武力示威”に韓国軍、波紋縮小に奔走

登録:2017-01-10 23:59 修正:2017-01-11 02:13
防空識別圏侵犯の影響
中国の爆撃機など軍用機8機が9日、対馬海峡上空を通過して東シナ海と東海の間を往復飛行したことを、緊急発進した日本の自衛隊戦闘機が確認したと、日本のメディアが報じた。写真は日本の防衛省統合幕僚監部がホームページに公開したH-6爆撃機=東京/聯合ニュース

合同参謀本部「韓中日3カ国が重複区域、中国は昨年も数十回進入」 
新しい現象でないとしながらも「異例の規模」 
 
軍事専門家のキム・ジョンデ議員、「明らかな武力示威」 
「THAAD導入への報復ではない」との分析も

 中国の軍用機約10機が9日、済州道(チェジュド)南方の離於島(イオド)近くの韓国防空識別圏(KADIZ)に進入した事実と関連し、軍当局は「異例の規模」としながらも、その意図については「把握に努めている」と明らかにした。専門家らは“武力示威”の性格が強いと分析した。ただ、“示威”の対象をめぐっては、米日を狙ったものとする見方と韓国も含まれるとする見方に意見が分かれた。

 合同参謀本部の関係者は10日のブリーフィングで「(中国軍が)昨年にも数十回(韓国防空識別圏内への進入を)続けてきた」とし、「別に目新しいものではない」と話した。同関係者は、中国の軍用機が今回を含めて、これまで韓中日3カ国の防空識別圏が重なる区域ではなく「純粋な韓国の防空識別圏」内に入ってきたことはないと強調した。合同参謀関係者は「中国側が、『訓練中』と明らかにした」とし、韓中の間には防空識別圏の重畳区域に進入する際、「通知する義務はない」と説明した。ただ、彼は「10機以上が入ってきたのは稀なケース」だと付け加えた。

 合同参謀側の説明と日本防衛省が公開した資料を総合すると、中国の軍用機10機以上が9日午前10時に離於島(イオド)の西側から韓国の防空識別圏に接近した。このうち、爆撃機6機をはじめ、偵察機と早期警戒機の計8機は対馬の南側の大韓海峡上空を通過し東海まで飛行した後、東シナ海に戻った。この8機は韓中日3カ国の重複区域を通過して日本の防空識別圏(JADIZ)を飛行した。

 この過程で韓国空軍は戦闘機約10機を緊急出撃させ、中国軍用機を監視・追跡しており、日本の自衛隊からも航空機20機余りが出撃し、警戒態勢に入った。中国の軍用機は9日午後3時に韓国の防空識別圏から完全に離れたと、合同参謀は明らかにした。

 軍事専門家のキム・ジョンデ正義党議員は「明らかな武力示威」と話した。キム議員は、中国が日本と領有権を争っている尖閣諸島(中国名・釣魚島)で「海上示威」を行っていることと、「在韓米軍へのTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備」に反対している状況を挙げ、「THAADと尖閣問題をまとめて『中国の核心利益を守護する』というメッセージを強調しようとしたもの」と指摘した。海軍将校出身のキム・ドンヨブ慶南大学極東問題研究所教授は「日本の防空識別圏に沿って中国に帰った飛行経路からして、(中国が)日本を狙ったものと見るべきだ」として「中国がTHAAD問題で“経済報復”に乗り出した状況で“軍事報復”にまで乗り出したと見るのは時期尚早」として異なる見方を示した。

 防空識別圏は他国の航空機が自国の領空に無断で侵入しないよう、未識別の航空機を早期に識別し、事前警告するために設定した任意の線だ。領空とは異なる概念で、国際法的に管轄権が認められているわけではない。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/778206.html 韓国語原文入力:2017-01-10 22:12
訳H.J(1595字)

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