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韓国小中生の子宮頸がんワクチン接種で父兄に不安広がる

登録:2016-06-21 08:24 修正:2016-06-21 09:37
小学生にまで予防接種が必要なのか
子宮頸がんワクチン//ハンギョレ新聞社

小6~中1女子生徒の無料予防接種開始
学校と保護者は安全性確信できず混乱
父兄「稲妻の集まり」立ち上げ議論予定

全羅北道教育庁「一律的な予防接種に反対」
福祉部「WHO加盟国の多数が実施」と主張

 小学6年の娘を育てるキムさん(47)は最近、娘の予防接種のために悩んでいる。小6から中1の女子生徒を対象にした無料子宮頸がん予防接種が始まったが、娘に接種を受けさせるべきか判断に迷った。学校に電話して問い合わせても「保健所でする仕事なのでよく分からない」と答えるだけで、詳しい説明を聞けなかった。家庭通信文など別途の案内もない。キムさんは「小学生には同じクラスの友達がしたらみんなで押しかける同年代の文化がある。選択とはいえ、私たちの子供も受けねばならないのか悩んでしまう」と話した。

 保健福祉部は、女性のがん発病原因2位の子宮頸がんを予防するため、12~13歳の女子生徒(2003~2004年生まれ)を対象に無料の予防接種を受けさせる「健康女性第一歩クリニック」を20日から始めたが、保護者と学校の現場は混乱に陥った。ワクチンの安全性など、子供たちに及ぼす影響に対する懸念があるためだ。不安になった保護者らは、子宮頸がんワクチンをきちんと理解するための会合も運営するようになった。

 該当する生徒たちは20日から、ガーダシルやサーバリックスなど1回15万~18万ウォン(約1万3500~1万6200円)のワクチンを近隣のクリニックなどで2回無料で接種できる。保健福祉部のカン・ミンギュ疾病政策課長は「保健福祉部が数年前から準備した政策であり、昨年、国会で予算を割り当てられ毎年230億ウォン(約20億円)かけて実施する政策だ。ワクチンに反対する少数の声は世界的にあるが、世界保健機構加盟国が実施する政策なので、安全性は検証されたと判断している。父兄は安心してもいい」と強調した。

 しかし、一線の教育現場や父兄の不安は消えない。一部の父兄は21日夕方、「子宮頸がんワクチンの無料接種、このままでいいのか」という主題で緊急の「稲妻の集まり」を結成し、ソウルで1回目の会合を開く予定だ。予防接種の問題点や危険性について議論し、保護者であり市民として対応策を議論する考えだ。ワクチン接種と関連して公開討論会も提案する計画だ。会に参加する保護者のアンさん(56)は「強制ではないものの、該当する年代のすべての女子生徒が集団で受けることになり、必要不可欠なものなのか、安全性と効果が検証されているのか気になる」と話した。十分な検討と社会的議論を経ていない“隠密政策”だというのだ。

 全羅北道教育庁は、一律的な予防接種には反対の立場を明らかにしている。同道のキム・スンファン教育監(教育委員会委員長に相当)は、昨年の拡大幹部会議で「ワクチンに対する効果などが十分に検証されておらず、国家政策として接種をすることには反対だ。父兄の選択権は保障するが、一律的な接種には反対する」という立場を表明した。同道教育庁のチョン・オクヒ報道官は「子供の健康に関連した決定なので、少しの疑いも見落とすことはできない。オキシー事件を考えれば、国家は健康問題により気をつけて接近しなければならない」と話した。

 医療界も慎重な態度だ。大韓医師学会のチェ・ウンギョン総務理事は「医療界でもよく知られていない政策」だとし、「父兄の立場として、子宮頚がん接種が幼い子に必要なのか、ワクチンの副作用はないのか心配が多い。政府は公衆保健の次元で接近し、不安と混乱を緩和すべきだ」と説明した。

キム・ミヒャン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-06-20 22:19

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/748996.html 訳Y.B

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