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日本に「東九陵 朝鮮王朝儀軌」返還を要求

登録:2009-07-03 16:36 修正:2021-06-29 10:44
九里市、決議文採択…1922年に奪われ 
政府にも「韓日首脳会談の案件選定を」要求

 京畿道九里市が、日本の宮内庁が保有している九里市仁昌洞所在の東九陵(史跡 第193号)に関連する「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」の返還を要求する決議文を採択した。これは朝鮮王陵が先月29日、ユネスコ指定世界文化遺産に指定された後、地方自治体レベルで出た初めての措置だ。

 九里市議会は2日、本会議を開き、日本の宮内庁が所蔵している純祖(スンジョ)の息子・翼宗(ヨクチョン)の妃である「神貞王后国葬都監儀軌」をはじめとする7種の東九陵に関連する朝鮮王朝儀軌の返還を要求する決議案を、全員一致で採択した。儀軌は朝鮮王朝の主要儀式と行事過程などを詳細に文と絵で残した文献で、その史料的価値は非常に高い。

 九里市議会はこの日の決議文で「1978年にセネガル・ダッカで開かれた国際博物館協議会(ICOM)専門家会議で採択された『原産国の起源と文化を理解するのに必須の文化財は原産国に返還する』という原則に照らしてみれば、儀軌は原産国である大韓民国に返還されなければならない」と指摘した。国際博物館協議会はユネスコ協力機関であり、朝鮮王朝儀軌も2007年にユネスコにより「世界記録文化遺産」に登載された。

 この儀軌などは20世紀はじめまで五台山(オデサン)史庫などに保管されていたが、1922年、朝鮮総督府によって日本の宮内庁皇室図書館に流出した後、現在まで戻っていない。現在、宮内庁書陵部に所蔵されている「儀軌」の表紙には、本来の所蔵先が明記されており、儀軌の次ページには「大正11年(1922年)5月、朝鮮総督府寄贈」という印鑑が押されている。

 決議案を発議したクォン・ボンス議員は「九里市所在の東九陵で行われた国葬と関連した国家的記録物が、かつて日本植民統治時代に日本の宮内庁に搬出され、解放から60年あまりが過ぎた今でも返還されずにいる」として「これは韓日両国の友好発展のためにも正しくないことと判断する」と話した。

 東九陵は太祖の陵である健元陵、24代憲宗と妃の孝顯王后金氏、継妃の孝定王后洪氏の陵である景陵など9つの陵で構成されており、1970年に国家史跡に指定された。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/363672.html原文入力:2009-07-02午後08:38:29
訳J.S