[記者手帳]クレヨンポップはなぜ労組のストライキ現場で歌ったのか(1)
金融労組の集会で20分間“パパパ”など歌う
ガールグループが労組のストライキ現場で公演するのは史上初
ガールグループ「クレヨンポップ」が労組のストライキ現場に現れ、“一斉ストライキ闘争”の看板の前で歌いました。3日、ソウル木洞(モクトン)総合運動場で開かれた「全国金融産業労働組合」(金融労組)のストライキ集会でのことです。このニュースは3日夜になってインターネットのコミュニティなどで“クレヨンポップ近況”といったタイトルで広く知れ渡り話題になりました。
ガールグループが労組のストライキ集会で公演したのは史上初です。“キャンドル文化祭”等で公演がなされたケースはこれまでにもありましたが、概して集会前から当該イシューに共感してきた大衆音楽家が合流して、集会の主題に対する公開的支持を表明するようなケースでした。今回のようにストライキ集会に少女たちで構成されたガールグループが“行事に駆けつけた”ことはありませんでした。
皮肉にもクレヨンポップが一時は超保守サイトの“イルベ(日刊ベスト貯蔵所)論議”にまきこまれたりもしたグループだという点もネットユーザーの関心を引いた理由です。クレヨンポップの所属会社は論議が起きた当時、いかなる政治的指向もないとして否認しましたが、とにかく労組やストライキとは距離感のあるイメージであることは明らかです。クレヨンポップだけでなく、すべてのガールグループが距離が遠いと言えるでしょう。
この日一斉ストライキに突入した金融労組は、企業銀行、産業銀行、国民銀行など市中銀行の職員が集まった労組で、韓国労働組合総連盟(韓国労総)傘下の産業別労組です。韓国労総と共に二大労組と言われる民主労働組合総連盟(民主労総)の「全国事務金融労働組合連盟」という同じような名前の労組がありますが、ここは証券、保険会社、協同組合など第2金融圏を中心に組織されています。
市中銀行の職員がストライキを行ったのは、政府主導の構造調整が大々的になされた2000年以後14年ぶりです。 官治金融の撤廃、天下り人事の清算、一方的な金融公共機関正常化対策の中断を要求しました。朴槿惠(パク・クネ)政権下で“金融公共機関正常化”を旗じるしに構造調整および役職員福祉削減に乗り出したためです。 キム・ヒョンドン韓国労総中央法律院室長(弁護士)は「新政府は主要銀行の人事を欲しいままにし、勝手気ままに構造調整を日常的に行った。金融“産業”ではなく、不法金融扱いだ。 韓国の金融産業が後進的な理由は、政府と使用者(会社)の責任が大きいが、その結果は労組員に転嫁される」と、銀行職員たちがストライキに立った理由を明らかにしました。
訳J.S(1400字)
