原文入力:2009-05-30午前01:00:26
[最高裁, 三星 便法継承 ‘免罪符’] 三星エバーランド判決の意味
CB安値発行しても株主配分なら“背任ではない”
6-5 薄氷判決…シン・ヨンチョル最高裁判事も無罪に一票
* CB:転換社債
キム・ナムイル記者
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29日三星エバーランド転換社債安値発行事件に対する大法院判決を巡って市民社会団体などでは商法と会社法などが保護している市場経済の原則と‘常識’を無視したものと評価した。大法院は株主配分の‘形式’さえ揃えれば、転換社債や新株引受権付き社債を額面価より1ウォンだけ高く発行し、これを誰に渡しても背任罪に問えないと判断した。微々たる金額の税金を払い会社価値よりはるかに少ない金で経営権を‘合法’継承できる道を開けたわけだ。
これはイ・ヨンフン大法院長が弁護士時期にエバーランド1審事件弁論で主張した論理と同じだ。
■形式論理に執着
ホ・テハク,パク・ノビン前社長事件でソウル高裁は転換社債発行当時の適正株価と安値発行された価格の間の差を問い詰め背任罪を認めた。 エバーランド側が転換社債発行当時の適正価(最高22万3659ウォン~最低1万4825ウォン)よりはるかに安い株当り7700ウォンでイ・ジェヨン氏などに渡し、89億ウォン余り(最低価格基準)の損害を会社に与えたということだ。だが大法院は同じ懸案に対してイ・ゴンヒ元三星会長側に免罪符を与えた三星特検事件下級審の判断に従った。
エバーランドは当初、転換社債を三星系列会社や特殊関係にある<中央日報>等の既存法人株主らに配分(株主配分)した後、これらがこれを取得しないので第三者のイ・ジェヨン氏などに配分(第三者配分)したと主張してきた。大法院はこれを‘第三者配分’でなく‘株主配分’と判断した。
大法院は続けて「既存株主に転換社債を配分する株主配分の場合、低価発行による既存株主所有株式の価値下落は該当株主の損害であるだけで会社の損害ではないので経営陣に背任罪を問うことはできない」として「エバーランド事件で既存法人株主らが失権をしてイ・ジェヨン氏などに転換社債が移ったことは株主自らが損害を甘受したこと」と説明した。
しかし大法院は当時、イ前会長の指示を受けた三星グループ秘書室が系列会社などを動員しイ・ジェヨン氏の財産増殖および経営権継承過程を指揮した点は見過ごした。こういう共謀関係が特検捜査を通じてあらわれたが大法院はその違法性有無を判断しなかった。また「理事会決議が定足数に達せず会議録などが偽造されたので転換社債発行は無効」という特検の主張やエバーランド事件原審の判断も認めなかった。
有罪意見を出した5人の最高裁判事はこういう点を上げて「イ・ジェヨン氏などが配分を受けた過程を見る時、第三者配分による発行と同じこと」と説明した。
■三星論理追認?
大法院はエバーランド事件を無罪と判断しながらも、判例を変えない‘安全な’方法を選んだ。2001年大法院は転換社債を安値発行し役職員らに割り振った後、また売る手法で数十億ウォンを手にしたマックソフトバンク事件で背任罪を認めた。エバーランド事件1・2審裁判所はこの判例を根拠に有罪を宣告した。
大法院はこれを「第三者安値配分で会社の損害を認めた判例」と見てSDS事件に適用した。既存株主以外の人が会社持分を新しく取得する第三者配分方式の転換社債発行は株主配分とは異なり会社資産増加だけでなく会社支配権も変更させることができる。したがって株式に転換可能な転換社債などを安値発行したとすれば ‘小金’ で経営権を渡すことになり会社に入るべき資産が少ししか入らないということのために会社の損害とみるべきだということだ。
大法院は「SDS事件は第三者配分が確実だ」として「原審が適正な発行価格を算定することもしないまま会社に損害が発生しなかったと判断したことは正しくない」と説明した。
結局両事件に対する大法院の判断は、昨年三星特検事件1審裁判を引き受けたミン・ビョンフン部長判事の論理と大きく異ならない。当時ミン部長判事の論理はエバーランド事件で三星側が主張した論理を抜け出さなかった。イ・ヨンフン大法院長は当時エバーランド1審裁判の弁論を引き受け ‘転換社債の低価格発行は株主と関連があるだけで会社の損益とは関係がない’ という主張を展開した。
最高裁判事は6対5意見で無罪趣旨判決が下されたこの日の宣告で、ロウソクのあかり事件裁判介入で辞退要求を受けているシン・ヨンチョル最高裁判事は無罪側に立った。 キム・ナムイル記者namfic@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/357709.html 訳J.S