昨年10月、直属上官にセクハラ行為を受け、性行為の要求を受けて自ら命を絶ったいわゆる‘オ大尉事件’の加害者であるノ・某陸軍少佐の疑惑を立証する証拠が、陸軍によって隠蔽されたという疑惑が提起された。 18日、軍人権センターとキム・サンヒ女性家族委員長など国会議員25人は、国会政論館で記者会見を行い、陸軍の裁判妨害の疑いを暴露し捜査を要求した。
この日、軍人権センターとオ大尉側の法律代理人であるカン・ソンミン弁護士によれば、陸軍2軍団普通軍事裁判所がノ少佐の疑惑を立証する証拠であるオ大尉の部隊出入記録を提出しろと数回命令したにもかかわらず、去る2月に当該部隊は‘当該人員(オ大尉)の衛兵所出入管理システム上のアカウントを削除したことにより出入記録不保有’と回答した。 部隊出入記録は、オ大尉に性行為を要求して拒絶されたノ少佐が不当な超過勤務を指示した事実を立証する主要証拠であった。 カン弁護士は「公訴事実自体がノ少佐のセクハラ、オ大尉の性関係拒否、それに伴う過重な業務指示に連結されている。 部隊出入記録は大変重要な資料」と話した。
陸軍がオ大尉の部隊出入記録がないと普通軍事裁判所に通知した後、ノ少佐の弁護人は削除されたというオ大尉の部隊出入記録を提出した。 既に知らされていた内容とは異なり、この出入記録にはオ大尉が性行為要求を受けた時期にもほとんど正常退勤したことになっていた。 したがって、この出入記録はオ大尉側の主張が事実でないことを後押しする内容だった。
しかし、遺族たちはオ大尉が実際に超過勤務をしていた事実が記録された‘本物の’部隊出入記録を確保し、軍検察を通じて裁判所に提出した。 カン弁護士は「遺族が‘本物の’出入記録を確保できなかったならばノ少佐側が提出した虚偽と推定される出入記録が証拠として採択され、裁判に決定的な影響を及ぼしただろう」と話した。
このように出入記録の真偽論難と裁判妨害疑惑に火が点くと、該当部隊は証拠採択期限が過ぎた後に削除されたという部隊出入記録のバックアップ(原本複写)ファイルが存在すると遅れて裁判所に通知した。 この出入記録は、遺族たちが入手したものと同じ内容だった。 陸軍は「出入記録を管理している将校のミス」と釈明した。 担当将校のミスにより、バックアップ ファイルがあることを知らなかったという主張だった。
ノ少佐側が提出した‘偽の’出入記録の作成経緯と出処、該当部隊の資料未提出などは新たに捜査対象になった。 この日、国会議員25人は「国防部検察団は重要な証拠を隠匿して裁判を妨害した疑惑を受けている15師団長を直ちに捜査せよ」と要求した。
<ハンギョレ>はノ少佐側の弁護人と通話を何回も試みたがつながらなかった。 ‘オ大尉事件’の1審宣告公判は20日に開かれる。 ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr