ソウル南山(ナムサン)の国家安全企画部(現 国家情報院)跡が権威主義政権時期に拷問など国家暴力が強行されたところであることを知らせ、該当空間を人権教育の場にするというソウル市の当初計画が施行過程で一部後退したことが分かった。 ソウル市人権担当課関係者は「昨年12月に発表した‘南山人権体験現場プログラム’の中で安全企画部建物の名称と用途が分からずに案内表示板の設置を保留した」と14日明らかにした。
昨年12月ソウル市は‘悲劇的歴史を記録するために安全企画部跡を保存して南山に人権・平和の森を作ろう’という人権団体の請願を受け入れ、安全企画部建物で起きた拷問などの事件を記録した案内表示板を2013年までに設置するという計画を発表した。 だが、事業推進過程で表示板設置候補地11ヶ所(南山進入路を含む)の内、ソウル消防災難本部(留置場),TBS交通放送(監察・捜査・行政),大韓赤十字社(行政・盗聴)等の3ヶ所の名称および用途に対する情報が正確な歴史的事実として認定されていない点を発見したとし、表示板設置計画全体を全面保留した。
ソウル市は民主化記念運動事業会が2012年に出した報告書を参考にしてこういう決定を下したと明らかにした。 報告書には、該当場所が "中央情報部と安全企画部時期に正確にどのように呼ばれていたのか分からない" という内容が出てくる上に、該当内容が現在も国家情報院法で関連内容が機密として維持されているので、表示板を設置しにくいという説明だ。 だが、ソウル市は事業会から伝達された報告書の他には該当分野の専門家を探すなど事業推進のための努力をさらに傾けていないことが確認された。 今後該当場所に‘正確な歴史的事実’が認められるかも知れない状況で、案内表示板の設置事業は事実上中断されたと見られる。 6日発表したソウル市の2014年度予算にも南山人権空間事業関連項目はない。
ソウル市側は案内表示板事業の他に南山進入路の擁壁に世界人権宣言文を刻む作業と、‘人権中心 サラム(人)’が運営する人権探訪プログラムは進行されたと説明した。 だが、人権団体側は安全企画部の建物で起きた拷問など現代史を知らせる案内表示板の設置が中断され、全体事業の意味が退色することを憂慮している。 先月ソウル市は‘人権中心 サラム’が先月南山で開くことにしていた‘南山人権の森コンサート’に支援金を出すことにしたが、国家情報院を批判する内容を盛り込んだコンサートの広報文面が‘政治的内容’だという理由で支援計画を撤回した経緯がある。
パク・ポメ記者 bomi@hani.co.kr