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皆さんのお宅も‘ゴキブリ家族’でしょうか?

‘ゴキブリ家族’の誕生

イ代理の会社生態報告書 by H企業 課長代理

 昨年の今時分だった。 創立記念日の休日を楽しむために朝早く南山(ナムサン)道を歩いた私は2軒の一流ホテルの前で特異な場面を見た。 運転手付きの黒塗り大型乗用車がホテルの入口に列をなしていた。 一番目のホテルで‘国賓が来ているのかか?’と思ったが、2番目のホテルでも同じような場面を見て妙に気になった。 ロビーの職員に尋ねると企業の役員が集まる朝食会行事があったとのことだった。 彼は「名前を聞けば分かるような会社の役員は1年に12回以上はこのような集いに参加するだろう」と話した。

 話を聞いた後、一緒に仕事をしている役員が去る一ヶ月間に消化した日程を顧みた。 平日には外部の朝食会に2度参加したし、朝7時50分から始まる社内会議も一度あった。 日課の後には週3回ほど夕食と酒席を兼ねた席に参加し、一ヶ月に3,4回は週末ゴルフの約束を消化した。 ‘仕事と人生の均衡’とか‘夕食のある暮らし’のような文面は数年前から話題になっているが会社の上層部に行くほどそういう話はまだある種の理想郷に過ぎないという結論を新たに下すしかなかった。

 ここらでいくつか考えてみる。 ‘あのように息継ぐ隙もなく生きれば、やり甲斐や誇り、創意性があふれるように出てくるのか?’ ‘ホテルやゴルフ場、高級レストランで開かれる集いの内、一部でも簡単なティータイムに変えるならば一年にどれだけの費用が節減されるだろうか?’ ‘彼らの家族はどんな犠牲を被っているのか?’などの気がかりなことが次々と胸に浮かんだ。

 屈指のAグループを退任したある前職役員は「自然人になった後、最も適応が難しかったことは、私にかかってくる電話の大部分が急に途切れたこと」としながら「私の名刺を必要とした人と、私を必要とした人を区分できなかったようだ」と話した。

 品位をもって名刺を交換するための‘関係を結ぶ費用’は、教育費・業務推進費・活動費・接待費・会員券など多様な項目に分類される。 その特性上、大韓民国全体の市場規模を総合することは難しいが、見当をつけて適当な大企業一つの一年分の売上額以上にはなるのではないだろうか? とにかく、これは‘支出を装った投資’と見なされるので、堅固な市場で維持されている。 だが‘過剰投資’が起きる所も明確にある。 社会福祉士のBは 「もし企業団体が‘関係を結ぶ費用’の一部を社会貢献費用に切り替えると宣言すれば、企業イメージ改善と社会的責任履行という2羽のウサギを捕まえられるのではないだろうか?」と話した。

 ある金融会社のC常務はD代理に「君の兄弟たちも‘ゴキブリ’で大きくなったのか?」と尋ねた。 要するにお父さんが玄関のドアを開く音が聞こえると、集まっていたゴキブリが一斉に散るように各自の部屋に逃げるので、そのような表現を使うのだ。 ‘家族関係の断絶は高い年俸と交換される価値’と長年にわたり共感し黙認してきたので、今でも‘ゴキブリ家族’の誕生は続いている。 振り替え休日制立法が留保されたという。 ゴキブリ家族‘撲滅’の道はやはり遠く険しい。

https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/esc_section/586459.html 韓国語原文入力:2013/05/08 16:07
訳J.S(1406字)