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スペックより情熱で“広告天才イ・テベク(*)”を夢見る

登録:2013-05-03 20:24 修正:2013-05-04 07:03
“学閥社会”に膝を屈せず立ち向かった
オーディション通じて広告会社入社を果たしたチャン・ドゥジン、パク・ソンギュ氏

*イ・テベク(訳注)本来は李白(李太白)の意味だが、就職難のために20代の大半が白手(失業者)になるという意味の隠語として使われている。

“学歴の壁”に対抗して夢をかなえたニューフェース広告人새チャン・ドゥジン (28・左),パク・ソンギュ(29・右)氏が先月26日、オーディションを通じて入社した会社の玄関に並んで立った。 エルベスト提供

地方大・専門大のラベルのために多くの挫折
面接の敷居すら踏めず願書受付拒絶も
アイディア・情熱で公募展に挑戦
6ヶ月インターンを経て正規職入城に成功

 二人とも何らかの資格、ありふれた英語検定もなかった。 1人は地方大、もう1人は専門大出身だ。 だが、自分の夢見る“広告”領域に対するアイディアと情熱だけは真剣だった。 世の中に向かって「学閥でなく実力で評価される世の中を夢見る」と叫ぶ第一歩を踏み出したニューフェース広告人パク・ソンギュ(29)、チャン・ドゥジン(28)氏がその主人公だ。

 二人は国内初の広告人サバイバル プログラム<夢見る広告人>(夢広)の出演者だった。 <夢広>はKB国民カードが「国民が作り、国民が選ぶ広告」を採用するという趣旨で設けた参加型広告展で、応募した3000余のチームの中から選ばれた10チームのオーディション過程が、あるケーブル放送会社により放送として制作され放映されもした。 二人とも“知人の勧め”で参加したが、その裏には「学閥社会で味わった挫折」があった。

 パク氏は色々な会社に履歴書を出したが、ただの一社からも面接に呼ばれなかった。 「英語の成績のためか、学閥のためか、ずいぶん悩みました。 大学院に行こうとも思いました。」 チャン氏はそれこそ願書を出すことすらできなかった。「4年制大卒が基本要件でしたから。」 大学入試の時、地方大とソウルの専門大との間で悩み、「それでもソウルの方がましじゃないか」という父親の勧めで選んだ専門大の学歴が機会さえ遮断することになるとは思わなかった。

 中学生の時から広告人が夢だったパク氏は蔚山(ウルサン)大視覚情報デザイン学科入学後“実力”をつけるのに没頭した。 それが広告会社に入る道だと思った。「地方はソウルと違い公募展の情報さえ不十分でした。 自分で公募展サークルを作って片っ端から志願しました。 成績もわるくなかったんです。 2つ投げれば1つは入賞するほどでしたから。」 漫画家が夢だったが大学の時にある公募展で入賞した後「広告のぴりっとした快感」にはまったというチャン氏は、兵役で軍隊にいた時色鉛筆で描いたアイディア ノートが電話帳の厚さになるほどだった。

 通っていた職場も辞めた二人が<夢広>に専念したのはこのような夢があったからだった。 チャン氏は「初めは4年制の人たちには負けないぞという毒気も抱きました」と話した。 しかし、他のサバイバルに劣らず過程は相当に厳しかった。「2回目の時、同僚だった先輩と意見が違って脱落の危機に陥りました。 『すべての責任を負う』と言う私に先輩が譲歩し、結局通過した時は緊張が解けて涙があふれました。」(パク氏) 「今日の昼に発表なのに明け方までアイディアが出てこないんです。 その時は逃げようかとも考えました。」(チャン氏)

 結局最後の9人はLGグループ系列の広告会社<エルベスト>にインターンシップの機会を得、6ヶ月の過程を経て二人は今年4月正職員採用の関門まで通過した。「1年の長い過程を共にした同僚が先ず目に浮かぶ」という二人だが、家族の苦労も並たいていではなかった。 チャン氏は「会社を辞める時引き止めた父が、その時初めて専門大の学歴のために大企業に志願することもできなかったということを知りました。 それまで精神的苦労が多かったと思います。 合格した後『ありがとう』と言われました」と語った。

 “プロの世界”に適応しようと懸命の二人だが、それ以上の夢を持っている。パク氏は「良い世の中に一助となる公益広告」、チャン氏は「見る人が暖かくなるような広告」を作るのが夢だ。 「大学の友人もそうでしたが、2年間、英語ばかり勉強していました。 英語を使うこともないような所で要求するTOEICの点数のために若さを浪費させる、そんな社会構造がもどかしいです。」(パク氏)

クォン・オソン記者 sage5th@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/585507.html 韓国語原文入力:2013/05/02 11:22
訳A.K(1986字)

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