9日朝8時30分頃、ソウル汝矣島(ヨイド)の<文化放送>(MBC)南門前。 三々五々と集まった人々がうれしそうに挨拶を交わした。 明るい表情で握手を交わし、抱きあいもした。 昨年のストライキの後、職務と関係ない部署に発令が出たが、異動発令効力停止仮処分申請が裁判所に受け入れられ本来の席に戻る労組員たちだ。 9ヶ月間、京畿道龍仁(ヨンイン)・安城(アンソン)・水原(スウォン)・城南(ソンナム)などの地で本来業務とは関係のない仕事をしてきた彼らが、ついに本社に戻ったのだ。 彼らがストライキを通じて退出を要求したキム・ジェチョル前社長が解任された日からは14日ぶりのことだ。
文化放送労組は業務開始前に短い歓迎式を行った。 発令を受けた54人の中で、キム・ワンテ、チェ・ヒョンジョン アナウンサー、ヨン・ポフム、イム・ミョンヒョン記者など40人余りが参加した。 風の強い寒天にも関わらず微笑を浮かべた彼らの間には温もりが漂っていた。 イ・ソンジュ文化放送労組委員長がマイクを握った。
"昨年夏から今まで、本当に長くて長い時間でした。 よく耐えました。 お疲れ様でした。 だが、これが完全な回復ではありません。 帰ってきてもおかしな席に行くことになる事もありえ、まだ帰ってこられない‘新川(シンチョン)教育大’組合員たちも、解雇者たちもいます。 しかし完全な回復は遠くないと信じています。"
叫び声と共に大きな拍手が広がった。 10分もかからない短い行事だったが、文化放送にとってはいつにも増して躍動感があふれた。
もちろん残っている問題は多い。 労組側は仮処分勝訴当時、裁判所が明らかにした決定趣旨にともなう真の復帰、すなわち本来の所属局に戻るだけでなく‘記者は記事を書き、ディレクターは放送を製作し、アナウンサーは放送をする’復帰がなされるか今後を見なければならないという立場だ。 また‘新川教育大’と呼ばれる20人余りの教育命令遂行者は‘不当異動’に関する裁判所の決定を待ち続けている。
報道局に発令を受けたある記者は「とても長く休んで仕事のやり方を忘れてしまった」と冗談を言いながらも「まだどんな仕事を請けることになるか分からず心配だ」と心情を吐露した。 今回の復帰は‘正常化’の第一歩に過ぎないという話だ。
チェ・ウォンヒョン記者 circle@hani.co.kr