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「オ・ヨンチョン ソウル大総長にお聞きします。キム・セギュン教授の“罪”とは何ですか」

登録:2013-03-21 10:24 修正:2013-03-21 11:03
<希望のバス>乗ったからと名誉教授任用を保留した学校と総長への叱責文続く
ソウル大正門。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

 希望のバスに乗ったからと定年退任後の名誉教授任命が保留された(<ハンギョレ> 3月2日付8面 「<希望のバス>乗ったとソウル大名誉教授脱落」)キム・セギュン前ソウル大教授の事情を聞いて、ソウル大を叱責する声が相次いでいる。

 キム・ジンスク民主労総釜山本部指導委員は16日<オーマイニュース>に「ソウル大のオ・ヨンチョン総長、あなたはいま判断を誤っておられます」という題の文を寄稿した。 キム委員は「こうしたこと(<希望のバス>に乗ったからとキム・セギュン教授が名誉教授職任命を保留されたこと)がなかったとすれば、私のような者がソウル大総長のお名前を知るなどということもなかったでしょう」と話を切り出した後「私のように工場で働いて大人になり路上で世の中を学んだ労働者は、キム・セギュン教授のような方々がおられるが故にソウル大が我が国を代表する知性の殿堂にふさわしいのだと信じています」と述べた。

 キム委員は、クレーンに上がって158日目に初めて希望のバスが来たとして、それまで「孤独で寂しくて先が見えない」状態だったが「週末の休息をそっくり返上して往復十時間を超える距離を、しかも費用まで自分たちのポケットをはたいて、それにトイレもままならない路上で絶望バスという非難まで甘受しながら連帯したその方々こそ、私はこの社会の真の知性人だと信じます」と書いた。

 キム委員はキム・セギュン教授が希望のバスに乗ったという話をあとになって聞いたとして「オ・ヨンチョン総長。 机上の理論でなく学者の良心に従って弱者らと連帯し、その信念をまっすぐに守ってこられたキム・セギュン教授に対する名誉教授職剥奪は不当です。 ソウル大があくまでキム・セギュン教授の名誉教授職を剥奪するならば、それは多くの人々に傷として残るでしょうし、ソウル大にとっては汚点として残るでしょう」とソウル大を叱責した。

 去る13日にはソウル大政治学科大学院生のパク・チョンウ氏が、<プレシアン>に寄稿した「ソウル大総長、これが本当に大学ですか」という文でキム・セギュン前教授の名誉教授任命保留は納得できないと明らかにした。パク氏はオ・ヨンチョン ソウル大総長に対し「まだ学生なので豊富な経験と知性には不足するとしても、真心をこめて書いた文ですので、軽く踏みにじってしまわないで一度ぐらいはきっと読んでみて下さるよう丁重に」お願いするとし、オ総長が以前にした話によせてキム・セギュン前教授の“罪”は何かと尋ねた。

 パク氏はオ総長が「ソウル大は、真のヒューマニズムを培い社会共同体全般に対する関心と献身を重視する、そうして世の中の暗いところをあまねく見て配慮できる真の人材を育成しようと思う(2013学年度ソウル大入学式)」「どこにいても共同体を愛する心を忘れてはいけません(第68回ソウル大卒業式)」と発言した言葉を指摘して「総長のお言葉にぴったり符合する実践的知性を生涯培ってこられたキム・セギュン教授に罪があるとすれば、それは“希望と連帯した罪”です」と書いた。

 また「私たちの社会の陰になったところを縫って歩いて“希望と連帯した罪”を問い、23年間献身してきた老教授の名誉を踏みにじる所が大学ならば、その残酷な廃虚ではたった1グラムの希望も、三文の名誉も芽生えることができません。 はっきり言って、そこはもはや大学ではあり得ません」として「検察の無理な起訴と教科部のけん責決定の不当さは指摘できないにしても、母校で23年間奉職してきた老教授の名誉教授任命すら自律的に決定できないというのが“法人ソウル大”の現住所であるならば、総長が言われたその自律性はいったい誰のためのどんな自律性なのでしょうか? 今回の決定が、教育公務員の身分でありながらソウル大法人化に最後まで反対してきたキム・セギュン教授に対する懲罰的次元の“自律的”措置ではないものと信じたい気持ちでいっぱいです」と指摘した。

 パク氏はこの文をソウル大校内新聞である『大学新聞』に送って、掲載されるという確答を受けた後、いくらも経たずに『大学新聞』側がこれを取り消したと主張した。パク氏は寄稿文を通して「果たして総長が発行人としておられる『大学新聞』で、総長を名指しで批判することがどれほど難しいことなのか直感できました」と言った。『大学新聞』関係者は18日<ハンギョレ>との通話で「発行人である総長の外圧はなかった。 寄稿文を載せなかったのは文の水準が劣ると判断したためだ。 寄稿文を載せる“発言台”コーナーには代わりに他の文が掲載された」と明らかにした。 その週の“発言台”欄にはパク氏の文の代わりに「これ以上先送りできない差別禁止法制定」という他の学生の寄稿文がのせられた。

 ネチズンenxktjsto****は17日インターネット ポータル <ダウム>にあげた「ソウル大総長、学者の良心を守って下さい!」という文で「進歩・保守を問わず、知行一致は知識人の道理であり社会的責任を全うすることであるはずなのに、“希望のバス”に参加したという理由での(キム・セギュン前教授に対する)けん責は常識と理性に外れた行為であり、これは非難されて当然なことです」として「むしろ社会的責任を回避して安住に重きを置く者たちこそ国民の懲戒対象なのであり、学校と教授の名誉を重視する以前に学者としての良心を先に守れと」叱るべきではないかと憂慮を表わした。

 ソウル大は去る2日、「もし政治学科が次の学期にキム前教授の名誉教授授与を要請すれば懲戒事実を考慮して再審査できるが、名誉教授授与の可否は分からない」と表明して以来、これといった立場を明らかにしていない。

チェ・ユビン記者 yb@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/578494.html 韓国語原文入力:2013/03/18 16:48
訳A.K(2590字)

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