イ・ドンフプ憲法裁判所長候補者に対する新たな疑惑が毎日のように溢れでる中で、イ候補者が憲法裁判所裁判官として在職時期に業務推進費を不正使用した事実が新たに明らかになった。 イ候補者が初めて指名された時には過度な‘保守指向’に対する憂慮が主に提起されたが、公職を利用して各種利益を得るなど公人としての基本資質を疑わせる欠陥が相次いで明らかになりイ候補者の‘私益追求指向’がより大きな失格条件だという指摘が出ている。
16日国会人事聴聞特別委員会委員であるソ・ヨンギョ民主統合党議員が公開したイ候補者の業務推進費使用内訳を見れば、イ候補者は憲法裁判所裁判官として在職した6年間に計2219万ウォンの業務推進費を使ったが、このうちの18%である405万ウォンは週末など公休日に使っていた。 休日に業務推進費を使うことは明白な政府指針違反だ。 特にイ候補者は休日はもちろん平日にも京畿道(キョンギド)城南市(ソンナムシ)盆唐区(プンダング)の自宅近隣の食堂でたびたび業務推進費を使っていたことが確認され、私的用途で業務推進費を使ったのではないかという疑問が起きる。
イ候補者が憲法裁判官として在職中に行ってきた9回の国外出張の内、5回の出張は夫人と一緒に行っていた事実も新たに確認された。 ソ・ギホ進歩正義議員が入手した出入国資料を見れば、イ候補者の夫人はイ候補者が2008年12月米国、2009年ドイツ・チェコ、2010年フランス・スイス、2011年中国、2012年ポーランド・ルーマニア・トルコに出張に行く際に一緒に行った。 イ候補者は出張の度に公式に伴った憲法裁判所研究官が帰国した後にも何日もさらに留まった。 そのためにイ候補者は公金で家族と外遊を楽しんだという非難を避けられなくなった。 これまでイ候補者は2010年フランス・スイス出張についてのみ夫人を伴った事実を認めていた。
高位裁判官と憲法裁判所裁判官として1億ウォン余りの年俸を受けていながら、国庫が利子を支援する無利子学資金貸出を受けていたことも高位公職者として不適切な身の振り方だという批判が出ている。 パク・ポムゲ民主統合党議員が公開したイ候補者の子供の学資金貸出内容を見れば、イ候補者はソウル高裁の部長判事時期である2000年から憲法裁判所裁判官を辞めた昨年まで9回にわたり6679万ウォンの学資金貸出を受けた。 無利子学資金貸出は公務員なら誰でも受けられるが、イ候補者程度の財力を持った高位公職者がこれを利用しなければならなかったのかという指摘だ。 イ候補者は人事聴聞特別委に申告した財産が15億2372万ウォンであり、憲法裁判所裁判官として在職した6年間に本人と配偶者の預金額が同じ期間の総収入と同等額である6億ウォンも増えていた。
この他にもイ候補者は憲法裁判所研究官らと共に書いた本を自身の単独著書として表記したし、乗用車ナンバープレート奇数偶数制度施行時には官用車を一台余計にくれと言って乗って通った。 三星(サムスン)電子から裁判所忘年会の景品協賛を受けようとし、検察にゴルフ場予約を要求したりもしたという後輩裁判官たちの証言も出てきた。 法曹界のある高位関係者は「イ候補者は‘保守’指向でなく‘私益追求’指向」と評価した。
ハ・テフン高麗(コリョ)大法学専門大学院教授は「自身の利益に鋭敏な人が、他人の利害関係を公正に調整する憲法裁判所の所長の役割を正しく果たせるか疑問」と語った。
ユン・ヒョンジュン、パク・テウ記者 hjyoon@hani.co.kr