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“電気料金15万ウォンが払えず…”ロウソク生活 おばあさんと孫 焼死

登録:2012-11-21 20:29 修正:2012-11-21 20:30
21日午前3時48分頃、全南(チョンナム)高興郡(コフングン)道徳面(トドクミョン)新陽里(シニャンニ)のある住宅で原因不明の火事が起こり、寝ていたおばあさんと外孫が亡くなった。(写真=宝城(ポソン)消防署提供) newsis.com 2012-11-21

 全南(チョンナム)高興(コフン)で、電気料金が払えずロウソクをつけて生活していた祖父母と孫の家庭で火事が起こり、おばあさんと孫がいっしょに亡くなった。

 21日午前3時48分頃全南高興郡道徳面新陽里のチュ・某(60)氏の家で原因不明の火事が起こり、夫人キム・某(58)氏と外孫のチュ・某(6)君が亡くなった。 チュ氏は顔に火傷を負って病院で治療を受けている。 火は建築面積30㎡の木造住宅を全焼し1時間余りで消えた。

 チュ氏夫婦は去る5~10月の6ヶ月間未納の電気料金15万7740ウォンを払うことができず先月30日から韓国電力の電流制限がなされ、経済的負担を感じてロウソクをつけて生活してきた。

 電流制限は2004年に起きた電気を切られた世帯の火災惨事以後に始められたもので、3ケ月以上電気料金を滞納すれば瞬間電力使用量が220wを越えられないよう遮断する措置だ。 その場合は20wの蛍光灯2~3灯とテレビ1台、小型冷蔵庫1台程度まで使うことができるが、電力消耗の激しい電気マットなどは使えない。

 チュ氏は警察で“居間のベッドで3人一緒に寝ていたが、明け方3時頃に孫が「おしっこ、おしっこ」と言うので妻がロウソクをつけてそばにあったおまるに小便をさせた」と言い「その後寝ついたがロウソクを消さなかったのか、頭に火がついているのを見て隣に助けを求めに行った」と話した。 そして「普段から両ヒザの関節が痛くて孫を抱いて出られなかった。 隣に119番通報を頼んで戻った時には、もう手の付けられないほどに火の手が広がっていた」と付け加えた。

 チュ氏夫婦は二番目の娘の息子である外孫が出生した後、戸籍に入れて養育してきた。 だが足が不自由なチュ氏は経済活動をすることができず、夫人が村の近くのユズ工場に出て受取る日当でなんとか暮らしてきた。チュ氏は農地もなく健康状態も悪くて生活が困難だったが、基礎生活需給対象者や次上位階層の指定を受けられず支援を受けられない状況だった。

 生活費が絶対的に不足していた夫婦は電気料金と電話料金が未納状態で、一ヵ月前からは寒くなっても暖房なしで暮らしていた。

 シン・ソンネ高興(コフン)警察署捜査課長は「電気料金に負担を感じた夫婦が電流制限後にロウソク生活をしていたようだ」として「正確な火災原因を調査しているところだ」と話した。

 村の里長チュ・インス氏は「70代80代が多い村で相対的に若いうえに、近くに両親がおられ、また娘が3人いて生活保護対象者の指定を受けられなかったと聞いている」と話した。

アン・クァノク記者 okahn@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/561618.html 韓国語原文入力:2012/11/21 15:12
訳A.K(1378字)