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「父の過ち」 頭を下げた朴槿恵…党内でも「あまりに遅すぎる」 ため息

登録 : 2012.09.24 19:57 修正 : 2012.09.25 09:55(1809字)

←朴槿恵セヌリ党大統領候補が24日午前、ソウル汝矣島党舎で緊急記者会見を開き、5・16軍事クーデター、維新、人民革命党事件などの被害者と遺族たちに謝った後、頭を下げてあいさつしている。ソン・イムギ先任記者 woo@hani.co.kr

「5・16維新憲法毀損」過去の歴史謝罪
「娘ではなく大統領候補として…」
朴正煕歴史的評価 「一歩前進」

「墓につばを吐くことを願うとは…」
父親の不正「向かい風」意識したよう

「大勢論割れてやむを得ず…」批判
党内でも「あまり遅すぎた」ため息
趙甲済「票得るための政治ショー」


朴槿恵セヌリ党大統領候補の24日記者会見は、党内の大半から肯定的な評価を得た。しかし、謝罪の時期が少し遅く、晩時之歎(時既に遅し)とのため息があちこちから出た。

朴候補は記者会見で 「私は今日、父の娘ではなく、セヌリ党第18代大統領候補として・・・」と言って話を始めた。党内予備選挙を経て、さらに候補になった後でも、党内外から絶えず受けて来た「どうして朴正煕の娘から脱することができないか」との質問に対する返事という点を確かにしたわけだ。

朴候補が「政治では目的で手段を正当化することができないことは、過去でもそうで、今後もそうであるべき民主主義の価値と信じる」との一節は、これまでの5・16クーデターを「不可避な選択」と規定したのとは異なる態度だ。5・16、維新、人民革命党事件を「憲法価値毀損」と明確に規定した一節も、「歴史の評価に任せよう」とのこれまでの発言に比べると一歩前進したのだ。

朴候補は「我が国で子が親を評価するということ、その上に公開の場で過ちを指摘するということが、いかに大変な事か理解していただけることを信じる」と感情に訴えるなど、謝罪の真正性を強調しようと努力した。彼女が「国民が私に本当に願うことは、娘である私が父の墓に唾を吐くことを願うことではないと思う」との一節では、「顔も見られなかった義父のために、私に私の愛する妻を捨てよという話か」の盧武鉉前大統領の発言を思い浮かんだ人々も多かった。

しかし、朴候補の記者会見は再び真正性の議論を呼んだ。謝罪の時期のためだ。この日、都下のマスコミには、朴候補大勢論が崩れたとの世論調査が一斉に報道された。謝罪が支持率急落に対する自己救済策に映るしかないという話が、セヌリ党内からも出た。ある首都圏の重鎮議員は「やらない訳にはいかなかったのだろうが、あまり遅すぎた」、「支持率が落ちるから、一歩遅れて謝罪する姿なので、歯が浮いて真正性がないと国民の目には映るだろう」と言った。

朴候補が態度を変化したきっかけを具体的に説明しないことに対する指摘も出た。ある嶺南の重鎮議員は「以前にはどうして今日のように言えなかったのかも、話さなければならなかった」と指摘した。保守派論客の趙甲済(チョ・ガプジェ)氏は「わずか10日前に朴槿恵氏は父親を擁護して、その評価を歴史に任せなければならないという立場だった。どんな人の考えが、この短い期間に180度変わることができるのか」と述べ、「票を得るための政治ショー」と批判した。

朴候補の長年の側近で、今回、スポークスマンに任命された金在原(キム・ゼウォン)議員の前日の発言も、朴候補の謝罪の真正性の議論を加速化させるように思われる。金議員は前日、記者たちとの酒席で朴候補の謝罪に関して、「今回の機会で、国民が「この位ならよかった」と言うほどに確かにさせてるようにしなければならない」、「朴槿恵候補が政治をする目的が、父親の復権のためなのに、そんな人があたかもペトロがキリストを否定するように父を否定しなければならないことなのに、それが易しいのか」と言った。

しかし、一応、謝罪の議論は減るだろうとの見込みが多かった。ある再選議員は「歴史観の問題のために生じた荷物を、少し下ろすことができそうだ」、「党もその様な問題に対する負担がなく、票を集める作業に邁進することができる契機にはなるだろう」と言った。朴候補はこの日、記者たちの前で準備した会見文を読んだ後、個別に質問を受けずに直ちに席を外した。追いついた記者たちには「これから実践するのが重要だ」と強調した。


キム・ウェヒョン記者 oscar@hani.co.kr
原文:https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/553160.html 訳 M.S