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[土曜版]カバーストーリー パク・ウォンスン "ニュータウン、MBも責任を負いなさい"

原文入力:2012/07/06 22:54(7504字)

←パク・ウォンスン ソウル市長(右側)が去る3日ソウル市庁別館の茶山プラザ市長執務室で秘書陣が同席した中でニュータウンの出口戦略とその代案として提示した村共同体作りについて説明している。 カン・ジェフン先任記者 khan@hani.co.kr




ウォンスン氏のニューニュータウン
パク・ウォンスン ソウル市長、都市を語る
"解除・埋没 50% 国庫負担" 法制化へ始動
‘修羅場となったソウル’を作ったMBも責任を負うべき

 パク・ウォンスン ソウル市長がニュータウン地域の解除にともなう埋没費用処理のために国会に関連法案の改正を圧迫するなど、本格的なニュータウン出口戦略を始動している。 彼はまた、李明博大統領に向けても「(ソウル市長在任時期)ニュータウンを始めて広範囲に広がっただけに任期中に(李大統領が)多くの責任を負わなければならない」と話した。

 パク市長は去る3日<ハンギョレ>とのインタビューで「(ニュータウン建設)推進委段階にある所はソウル市が(埋没費用を)支援してでも解除を支援するという原則だが、組合結成までなされたところでは(ニュータウン解除にともなう)埋没費用が極めて大きい」として「国会の同意を得て中央政府も一部責任を負わなければならない」と明らかにした。 「もちろんソウル市が最終的に許認可をしたとは言え、(かつてニュータウン旋風を煽りたてて当選した) ‘ニュータウン族’等の国会議員らと中央政府の責任も大きい」という論理だ。

 パク市長はニュータウン出口戦略の円滑な進行のために去る2~6月、国土海洋部と企画財政部、与野党の国会議員などと議論を進めてきた。 これに伴い、オ・ヨンシク民主統合党議員が‘停滞している整備事業の中断を誘導するために地方自治体が補助する費用の50%以上を国が支援’することを骨格とした都市および住居環境整備法(都整法)改正案を用意して早ければ来週にも国会に提出する計画だ。 埋没費用の一部を国庫で分担する内容が含まれた法案は今回が初めてだ。 ソウル市は今回の改正案発議過程でオ議員室と緊密な協議をしたと伝えられる。 パク市長は「ソウル市全体が修羅場になった状況で与党も野党も関係ない」として「この問題を必ず解決するために都整法などが完全な法律になれるよう改正案を通過させてほしい」と促した。

  埋没費用とはニュータウン再開発・再建築事業推進のために組合や推進委が施工者から借りて使った費用で、少ないケースでは数千億ウォン、多いケースでは1兆ウォンを上回るものと推測される。 パク市長が去る1月にニュータウンの出口戦略を発表した以後、ソウル市と国土海洋部は埋没費用処理を巡り鋭い攻防戦を繰り広げた。 ソウル市は中央政府が戦略的に推進した事業であるだけに国庫支援が必要という立場だが、国土部は地方自治体事業であるとし支援不可の方針を守ってきた。

 一方、パク市長は最近龍山惨事を扱った映画<2つのドア>を観覧して、ソウル全域のニュータウン・再開発事業区域の強制撤去日程と借家人の移住協議状況に関する全面実態調査を指示した。

‘より良い家を作ろう’ ‘より大きな家を買おう’はもう終わりに

 ソウル、麻浦区(マポグ)、城山洞(ソンサンドン)・西橋洞(ソギョドン)・望遠洞(マンウォンドン)一帯に‘ソンミ山マウル(村)’という所があります。 1994年からお隣どうしが力を合わせて共同育児・共同教育・共同生活をしながら仲むつまじく暮らしている異色な村です。 パク・ウォンスン ソウル市長は‘ニュータウン’を建設しようとして修羅場になったソウル市内のあちこちにこのような村共同体を作ろうと話します。 空高く聳える高層アパートが大勢である時代は過ぎ去り、家がはじめて家らしくなるそのような時代を作るということです。 今あなたはそのような時代を生きる準備ができていますか?

 行く先々で話題になり推進した多くの事業で拍手喝采を受けた。 無償給食、ソウル市立大半額授業料、ソウル市非正規職の正規職転換、昼休み小規模飲食店前での駐車取り締まり緩和、そしてイルカ放流などを決めたパク・ウォンスン ソウル市長の話だ。 だが、就任10ヶ月目、パク市長にもついに避けられない‘挑戦’が迫った。 前任市長が推進した‘ニュータウン・再開発’問題の整理がその最初の課題だ。 市長選挙当時に約束した公共住宅8万戸建設も実現しなければならない。  「修羅場と化したソウル」を正常都市にするための作業という側面で、2つの課題は互いに緊密に絡まっている。 この難しい課題をどのように解決するのか。 去る3日、ソウル市庁別館の茶山プラザ市長執務室でパク市長に会って、その間に提起された批判を中心に訊いて見た。

1300ヶ所 ニュータウン出口戦略、あまりにも重い

-ソウル市が去る1月ニュータウン出口戦略を発表しました。 ニュータウン・再開発問題は利害が絡まっていて真の解決が難しそうです。

パク・ウォンスン市長(以下パク)  "基本的にあまりにも重い問題です。 1300ヶ所がニュータウンや再開発地区に指定されたんですよ。 言ってみれば、ソウル市が一気に修羅場になったようなものでしょう。 もしこのように(出口戦略発表を)しなかったらどうなったでしょう。 一日で解決できる問題ではありませんが、私はこれ(出口戦略発表)一つだけでもソウル市長に当選して良かったとおもいます。 数えきれない程の多くの会議と専門家たちの見解、市民との交感を通じて出口戦略を作ったし、今もそのようにしています。"

-‘ニュータウン解除有無を市民の意見で決める’としたことが、時間を長引かせているという話も出ています。

パク "全くそうではありません。 すでに一部地域では事実上の解除措置を歩んでいて、実態調査に入るなどはかどった所がたくさんあります。 行政というものは法律的根拠に基づいてしなければなりません。 都整法(都市および住居環境整備に関する法律)により、すでに去る4月に(ニュータウン地区解除基準等を含んだ)条例を立法予告したし、今月中に公告されるでしょう。 現行の都整法自体が充分でなく、新しく当選した国会議員に向かって改正案を通過させてほしいという努力をしています。 埋没費用と関連しては、ソウル市が支援しても必ず(ニュータウン地区を)解除したいという所は原則支援します。 しかし、ソウル市が全額負担するには費用が多いので中央政府も責任を負わなければならないと考えます。"

-2002年にニュータウンを最初に始めた時、人々は‘江南(カンナム)江北(カンブク)均衡発展’という趣旨に呼応しました。 それではニュータウン出口戦略を描かなければならない今の時代精神は何だといえますか?

パク "江北の人々のためにニュータウン事業をすると言いましたが、実際に江北の(原住民の)大多数が首都圏の他地域へ移って行ったり、さらに劣悪な環境に追い出されたりしました。 バラックや考試院(コシウォン)のような、とても非人間的な準住居に住む人だけでソウル市内に40万人いると推算されています。 この時代、都市開発のイシューは、家が投機や所有の対象ではなく暮らす所に変わっています。 私が特別なビジョンを持ったのではなく、この方向で行かなくてはならない状況で市長に選出されたということですね。"

-ニュータウンは主に江北側に集中しています。 ニュータウンが解除されれば江北の住居状況がさらに悪化して、江南北の不均衡がさらに深刻化されることにならないかとの見解もあります。

パク "そのような考えすら過去のパラダイムです。 高く聳えるアパート村ができれば最も生活の質が高い住居団地になるでしょうか? 私はそうは思いません。 最も劣悪だった江南区、九龍(クリョン)マウルも新しい公営開発方式で行い、蘆原区(ノウォング)白砂マウルは一部は原形を生かしながら山地の雰囲気に合うように改造して、住居団地のインフラを改善して安全な住宅を作る側へ進んでいます。 恩平区(ウンピョング)と城北区(ソンブクク)の長寿の村にはそれぞれ‘ヒキガエル ハウジング’ ‘町の大工さん’という町内会社が作られています。 このようにすれば村の経済も生かしながら観光地に変わる可能性も高いと考えます。 これが真の村共同体を作るということです。"

-先日、奉天(ポンチョン)8洞強制撤去を中断させて話題になりました。 こうしたことは‘優しい市長’がいたからこそ可能だとの声もありました。

パク "そうです。 我が国の都市再開発の構造自体が正しくなくて、市民の側の問題ではありません。 1960~70年代(に作られた)行政便宜的で、投機屋や企業中心的になっている法律的システムがそのまま作動しています。 私はニュータウンや再建築をしてはいけないと思っているわけではありません。 しかし、市民の暮らしや住宅需要を越えて投機や財閥建設会社の利益のためにされてきた側面がなくはないと考えます。 そんなことは容認されてならないというんです。 私が最善の努力を行っていますが、法的に見れば市長が手を使える範囲を超える場合があります。 それはソウル市長の仕事というより国会と政府がしなければならないことです。"

ニュータウンで江北原住民の大多数が
劣悪な地域に追い出され
バラックや考試院に40万人が暮らし
この時代に都市開発イシューは'買'から'住'へ

第2のパイシティ’が起きないように都市のビジョンを

-最近アパート再建築審議で容積率緩和などに相次いでブレーキがかかり、脈絡がちょっと異なるノドゥル島(訳注:漢江の中州)オペラハウス問題まで出てきて市長が開発自体を嫌っているのではないかという話も出ています。

パク "それでは以前のようにそのままやりましょうか? そこ(ノドゥル島)に6000億を注ぎ込んで借金を作り私たち市民が不渡り宣言するようにしましょうか? ‘高層建築の呪い’という言葉まで出てくるでしょう。 上岩(サンアム)DMCに100何階建てを作るといってましたが結局作れないから覆りました。 漢江(ハンガン)ルネサンス事業や漢江戦略地区のような事業は私がしろとかするなとか言ったことが一度もないのに事業性(悪化)のために座礁している状況でしょう。 恩平(ウンピョン)ニュータウンに大型坪数アパート600世帯が4年にわたって遊んでいます。 このままずっと10年過ぎれば完全に都市スラムになるでしょう。 全て滅びるまでになっているのに、それを見ながらも市長が作り続けるんですか。 私は、ソウル市長という人は、少なくとも10年後、20年後、100年後を見通して行政をしなければ罪人になります。"

-家は住む所でもありますが、人々はどうせなら住居価格も騰がるように願う欲望も持っています。

パク "それなら住居価格が永久に騰がり続けなければなりませんが、それは不可能です。 ある瞬間にバブルが弾け、すると数多くの人に悲劇を提供することになります。 また、投機やバブル現象が社会を支配すれば結局、お金のない人は追い出されるほかはありません。 これからは変わらざるを得ないと考えます。 そのためには公共賃貸住宅を増やさなければなりません。 香港に行ってみると公共賃貸住宅が30%程度になっています。 シンガポールは70%にもなりますね。 ところが韓国の場合、5%にもまだなりません。 私が8万戸を作ると公約しましたが、それができてもようやく7%程度になります。"

-ニュータウン再開発をしないのにどのようにして公共賃貸物量を満たすことができるのかという話もあります。

パク "再開発・再建築過程で公共寄与で賃貸住宅を作ってきたことは事実ですが、物量確保に容易でない側面があります。 それで変形された賃貸住宅をたくさん作らなければなければならないと強調しています。 既存の多世代・多世帯住宅をソウル市が買いとり賃貸住宅として提供するとか、国民住宅の坪数をちょっと減らしてより多くの住宅を供給できる効果を見つけるとか。 空いている土地が多いわけでもなくソウル市の財政赤字も相当な水準です。 難しいけれど、最善を尽くして当初の約束どおり賃貸住宅を作るというのが私の意志で情熱です。"

-最近オ・セフン ソウル市長の時に推進された‘2030都市基本計画’を修正すると発表しました。

パク "2030都市基本計画はソウル市をどんな都市にするかに関するビジョンが具体的ではありませんでした。 それで、例えば企業や住民が50階建てアパートを作るといえば、その可否だけを決めたり一部修正だけをしてきましたよ。 そうするうちに都市計画委員会のようなところにどれほど多くのロビーが入ってきましたか。 パイシティが代表的でしょう。 都市計画の厳密な観点で見れば(パイシティは)そこに作ってはいけないということですね。 私はソウル市の未来をほとんど予測可能に、(都市計画を)ち密にさせるべきだと考えます。 そうするためには都市計画者はもちろん人文学者と景観専門家、経済学者などが委員会の中に皆入らなければなりません。 私がいくつか変えると言えば、前任市長の痕跡消しだと言うが、私は殆どのものをそのまま進めています。 ところが私たちの時代が要求するところに応じて修正しなければならないものがあるならば修正しなければならないですね。 (それを)しないことは、別の形での時代に対する反逆でしょう。"

-ニュータウンに対する代案として村共同体作りを主張しました。 ところがソウル市の公務員たちも‘いったい何をすればいいのか分からない’という方たちもいたんですよ。

パク "それは当然の話でしょう。 洞察とビジョンの問題ですが、私はこう質問したいと思います。 ‘私たちがいったいどんな世の中を、どんな生活を送ろうとしているのか。’今この時代に依然として私たちが‘もっと食べよう’ ‘もっと良い家を作ろう’ ‘もっと大きな家に住もう’このように進むことはできません。 そのために人々があまりにも大きな犠牲と被害を被っているでしょう。 盧武鉉政府から李明博政府に至るまで‘国民所得3万ドル’を言いましたが、今(所得水準がそのように)上がりましたか? 過去の成長中心主義は限界に到達したということです。"

大型坪数アパート600所帯が
恩平(ウンピョン)ニュータウンに4年にわたって遊んでいます
10年過ぎれば都市スラムになるでしょう
すべて滅びそうなことを知っていながら
作り続けろと言うのでしょうか?

5年後にソウルは完全に変わっているだろう

-ニュータウンというハードウェア的概念を、村共同体などのソフトウェア的概念で対処できるかという気もするんですが。

パク "そうだから市民社会と企業、住民たちが重要だということです。 ソウル市の公務員たちがツルハシ持って行って村を作るんですか? 今が朴正熙・全斗煥の時代でもないのに。 そして‘このままではだめだ’として人々が共同育児も行い生協も作るなど、すでにUターンが始まっています。 ソウル市や区ができるのは、このような仕事がきちょんとできるように制度的後押しをすることです。 より大きいことはビジョンを共有することです。 市長が毎日こういう話をしているので、ものすごく変わってきています。 見ていて下さい、5年後にはソウルは完全に変わっているでしょう。 また、私たち韓国はやると決まれば速いでしょう。" (笑い)

-とにかくこのようなニュータウン出口戦略を巡って政府とは度々行き違いが生じているような印象です。

パク "(政府は)もう残り少ないのに。(笑い)現場で奔走するソウル市公務員たちが直面している限界や問題を一番よく知っているでしょう。 可能ならば自治権が拡大してこそその社会が発展すると思います。 ところが(わが国政府は)今何でも全て掌握しようとしているでしょう。 そのような側面から見れば問題ないわけではありません。 誰が次期政府を率いることになるか分かりませんが、その政府が本当に成功するためには地方政府に多くのことを任せなければなりません。"

-大統領選挙まで残り少なくなりました。 アン・チョルス ソウル大融合科学技術大学院長の出馬有無に関心が集まっています。

パク "誤解を受けてはいけないと思って一切会っていません。(笑い)本人が実存的決断をするでしょう。 人生が完全に変わることですから…"

-ソウル市の重要な政策などを巡って考えが近い大統領候補と政策的連帯を結べば良いのではないですか?

パク "ところで私がどちらか一方に没入したり、そんなことが出来ますか。(笑い)私とビジョンやコンセプトが似た方になればうれしいですが、誰になってもソウル市は協力して共に進まなければならないですね。 私がソウル市長であるから遊説をするわけにもいかないし…。(笑い)ソウル市長の仕事を熱心にすることがその方を助ける道でしょう。"

←ソウルは住宅10世帯中の5世帯(47.5%)がアパートという、それこそ‘アパート天国’だ。 また、10人中3人(32.9%)が2年ごとに貸切再契約問題で戦々恐々としている都市。 市民の半分(52.6%)が借金を抱えていて、その内の67.3%が住宅貸切・購入にともなう費用だ。 ソウルの空の下で自分のアパート一つを持ちたいという欲望が民心としてふくらみ、去る10年間ニュータウン(1300ヶ所)旋風が吹き荒れたし、ソウル市はそれこそ‘修羅場’になった。 ‘都市共同体’を作るというパク・ウォンスン市長が直面した現実だ。
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イ・ジョンエ記者 hongbyul@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/541459.html 訳J.S