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[社説]大統領の名誉回復のために報道機関代表まで家宅捜索するのか

登録:2023-12-07 06:37 修正:2023-12-11 10:18
キム・ヨンジン代表をはじめとする「ニュース打破」の社員たちが9月14日、本社前で検察の家宅捜索に抗議するスローガンを叫んでいる/聯合ニュース

 大統領選挙当時、尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の「大庄洞(テジャンドン)関係者へ手加減捜査」疑惑を報道した「ニュース打破」のキム・ヨンジン代表に対し、韓国検察が家宅捜索を実施した。9月に「ニュース打破」本社と記者たちを家宅捜索してから3カ月で、再び家宅捜索に踏み切ったのだ。大統領の名誉回復のために記者に続き報道機関の代表まで強制捜査を行うのは前例のないことだ。国民のために使うよう検察に与えた強大な権限(捜査権)を大統領のために使っているという指摘に、検察はどう答えるのか。

 いわゆる「大統領選挙への介入に向けた世論操作」を捜査するソウル中央地検特別捜査チーム(カン・ベクシン部長)は、第20代大統領選挙を控えた2022年3月6日、「ニュース打破」が報道した「シン・ハンニム-キム・マンベ対話録音」の内容を「フェイクニュース」とし、その黒幕を探っているという。大庄洞関係者のキム・マンベ氏がシン・ハンニム前言論労組委員長に尹大統領の「釜山貯蓄銀行捜査もみ消し疑惑」を流し、マスコミで報道されるよう誘導し、大統領選挙に影響を及ぼそうとしたということだ。検察は「ニュース打破」だけでなく、同じ内容を報道した「京郷新聞」や「ニュースバース」など、他のマスコミの記者らに対しても家宅捜索を行った。

 しかし、尹大統領が主任検事だった2011年、釜山貯蓄銀行事件の捜査で大庄洞事業関連の違法融資に対する捜査がもみ消された疑惑を裏付ける情況は多い。検察捜査に一級助っ人の役割を果たした大庄洞関係者のチョン・ヨンハク会計士も昨年9月、検察で「大庄洞事業への融資ブローカーのチョ・ウヒョン氏が2011年に最高検察庁中央捜査部の捜査を受けており、キム・マンベ氏がこの事件の捜査を止めた」という趣旨で陳述した。このような内容を取材した記者が、捜査もみ消し疑惑を提起したのは当然ではないか。だからこそ、大統領の「ご機嫌警護」のための捜査だという言葉が出てくるのではないか。ニューヨーク・タイムズ紙が最近、韓国検察の捜査を取り上げ、「1990年代に韓国が民主化されて以来、当局がこのような措置を取ったことはほとんどなかったが、尹錫悦大統領が就任して以来状況が変わった」とし、「尹大統領の18カ月間にわたる任期の特徴は、野党との絶え間ない衝突と検閲、民主主義後退に対する恐怖」だと指摘したことを、検察は肝に銘じなければならない。

 また、検察権の乱用を制御すべき裁判所がこのような家宅捜索令状を簡単に発付したことも理解しがたい。捜査の原則は強制捜査ではなく任意捜査だ。検察の無分別な家宅捜索を防ぐのが、裁判所がやるべきことだ。チョ・ヒデ最高裁長官候補者は人事聴聞会で「家宅捜索令状の事前審問制度」を肯定的に検討すると述べた。その発言に行動が伴うことを期待したい。

 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1119356.html韓国語原文入力:2023-12-06 18:42
訳H.J

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