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[社説]中国不動産危機が加速、韓国政府は経済政策を見直せ

登録:2023-08-22 00:28 修正:2023-08-22 07:56
中国の不動産開発会社の恒大集団(エバーグランデ)が17日(現地時間)、米ニューヨーク・マンハッタンの破産裁判所に連邦破産法第15条の適用を申請した。写真は恒大グループが中国東部の江蘇省淮安に建設した住宅団地の2022年12月3日の様子/聯合ニュース

 中国の不動産危機は深刻化し、景気後退の谷は深まるだろうとの懸念が日を追うごとに高まっている。世界の半導体業況の回復、最大の輸出市場である中国の景気回復を期待し、何の景気対策も立てていない韓国政府にとっては、経済政策の再整備をこれ以上先送りできない局面を迎えている。

 中国人民銀行は21日、事実上の政策金利である1年満期の最優遇貸出金利(LPR)を年率3.45%へと0.1ポイント引き下げた。6月の引き下げからわずか2カ月でのさらなる引き下げだ。需要不足で物価が下落し、銀行の融資が萎縮していることに対する対応だ。利下げ幅はそれほど大きくないが、事態の展開は穏やかではない。不動産危機は加速している。負債が440兆ウォン(約48兆円)を超える不動産開発企業の恒大集団(エバーグランデ)は17日、米国ニューヨーク・マンハッタンの破産裁判所に連邦破産法第15条の適用を申請した。中国最大の不動産開発企業である碧桂園(カントリーガーデン)も流動性危機に直面している。このところの中国の急激な消費萎縮は不動産価格の急落が招いたものだ。不動産危機が円満に収拾できなければ、資産価格の下落が招く悪循環が悪化する恐れがある。

 中国が新型コロナウイルスの封鎖を解除しリオープニングを実施したことに伴い、韓国の対中国輸出も改善すると考えていた政府の見通しは、もはや維持できなくなった。今年の景気は「上半期低迷、下半期回復」だろうとし、特別な対策を取ることもなく時間を浪費してきた政府の経済チームは、今月も20日までで前年同期に比べ27.5%も減った対中国輸出をどう説明するのか。「財政の健全性」をオウムのように繰り返しながら財政緊縮にしがみつくのは、現在の韓国経済の現実とは到底合わない。せめて近いうちに国会に提出する来年の予算案は、のんきな前提で編成しないでもらいたい。

 経済政策の修正は、短期的な景気対応のレベルにとどまってはならない。最近の中国経済の低迷は景気循環上の後退ではなく、これまでの成長戦略に大きな問題が生じているという可能性も排除できない。米国政府主導の対中国「デリスキング(危険回避)」も推進されている。もう少し長期的な視野をもち、戦略的対応策も模索すべきだ。「中国の成長モデルは崩壊した」とか「バブル崩壊後の日本よりひどい長期不況に陥るだろう」という分析も一部から示されている。生半可な断定は避けなければならないが、中国経済が積もり積もった問題を解決するにはかなりの時間がかかりうるということを念頭に置き、綿密に出口を模索する必要がある。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1105176.html韓国語原文入力:2023-08-21 18:11
訳D.K

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