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[記者手帳]Kポップブームと前近代性

登録:2019-11-11 02:10 修正:2019-11-11 07:43

 放送局の芸能局は常に門前町のようだ。聖地を巡礼するように芸能局を訪れ、プロデューサー(PD)に「あいさつする」芸能プロダクションのマネージャーたちの足取りが絶えないためだ。新譜発売の何カ月も前から、マネージャーたちは敷居が擦り切れるほど放送三社とケーブル放送局を出入りして顔を売る。これは「フェイスミーティング」という名で呼ばれ、マネージャーがPDに対面営業をするのだ。

 1日平均60~70人のフェイスミーティング待機者リストに名前を書いて待っていれば、プロダクション関係者はPDと5分以内の短い面会ができる。PDの業務を妨害しない限りにおいてプロダクションがせっせと営業をするこの場は、新しいアルバムを出した歌手の音楽・芸能番組出演の可否に大きな影響を及ぼす。「誠実さ」が機会の尺度とは喜ばしい話だが、その誠実さを評価するはかりを持つ者が1人か2人の製作スタッフだというのはぞっとする。放送局外の陰における関係まで含めて「誠実さ」を評価するのならなおさらだ。

 「キム・ヨンラン法」以降下火になったものの、芸能局に対するプロダクションの接待文化は公然たる慣行だ。だから、Mnetの看板オーディション番組『プロデュースX101』の関係者たちがプロダクションから接待を受けていたと報道されても、業界の関係者たちは大して驚かないわけだ。地方からの中継音楽番組では、プロダクション関係者持ちで皆で打ち上げをする文化が残っている一方、わずか数年前までアイドル候補生が放送局とプロダクションの関係者たちの夕食会に呼ばれていたという。

 音楽番組制作終了後、製作陣に腰を90度に折った挨拶をするために列を成して待っているアイドルメンバーの光景の、何と旧態依然たることよ。Kポップブームのポストモダンさに比して、その裏の前近代性は信じがたいほどだ。文化の先端で起きているこのような文化遅滞現象は、YouTubeのように直接発信できるチャンネルができた後も、全世界のKポップ消費者に韓国の音楽・芸能番組の影響力が支配的だからこそ起きるのだ。

 『プロデュース』シリーズを通じて放送と音源の流通と制作に続きマネージメントにまで手を伸ばしたCJENMは、こうした放送局のパワハラ構造を高度化したとマネージメント業界の関係者らは説明する。CJENMは企業の系列構造の中で音源を製作・流通させ、音楽番組や芸能番組に出演させてマネージメントまで担当し、「アイドル商品」の販売構造を掌握した。興行的には惨敗に終わったものの、韓国放送(KBC)やJTBCが『プロデュース』モデルをそのまま使ってアイドルオーディション番組を制作したのもこのためだ。

 放送という列車に乗らなければ世界市場に進出することができない中小プロダクションとしては、放送局が『プロデュース』シリーズ方式のオーディション番組を制作し、「動員令」を下せば、避ける方法はない。1人や2人を大きな費用なしにデビューさせることができるだけに、中小プロダクションとしては「接待費用」を払ってでも参入する価値がある。アイドルグループがシングルアルバムを出すだけでも制作費が3億~5億ウォンはかかると言われている。

オム・ジウォン24時チームデスク//ハンギョレ新聞社

 そのうえ『プロデュース・シーズン1』開始後の同番組の市場支配力は強力だった。3大プロダクションを除く中小のプロダクションで独自にデビューして成功したアイドルグループはごく少数だ。IOIやWanna Oneのように『プロデュース』を通じてデビューしたアイドルグループと、『プロデュース』出演者が属するアイドルグループだけが大衆の関心を集めることができた。売れるためにではなく売れないことを避けるためにも『プロデュース』シリーズに出演するらしい。番組のうわべを見れば、既存の3大プロダクション以外の中小プロダクションに公平に機会が回るように見えるが、むしろアイドル界の「路地裏の小売り商店」の立ち枯れを招く構造であったわけだ。

 YG事態からMnetの『プロデュース』事態まで、Kポップ産業の主軸を中心に広がった悪材料は、結局新しい時代をこのように旧時代的な慣行で突破しようとした結果ではないだろうか。その間、今日も若いマネージャーたちは「BTS神話」を夢見て放送局の敷居をまたぎ、多くのアイドル候補生たちは「血と汗と涙」を流しながら練習室にこもる。

24時チームデスク/オム・ジウォン (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/916462.html韓国語原文入力:2019-11-10 17:54
訳D.K

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