北韓が運営するインターネットサイト‘我が民族同士’の会員名簿がハッキングによって公開され、無差別に出回っている。特に一部の保守的なネットユーザーが‘囚人番号’と名付けて加入者の職業や年齢などの個人情報を公開する一方で、警察は加入者に対する国家保安法違反有無について内偵調査を始めているという。ハッキングは明白な不法行為であり、それを土台に魔女狩りに近い個人調査をすることはやはり名誉毀損であるうえ、人権侵害にも該当する。直ちに止めなければならない。
国際ハッカー集団アノニマスが最近、北韓の祖国平和統一委員会傘下の対南宣伝用サイトである‘我が民族同士’をハッキングして公開した名簿は何と9001人にのぼる。保守のネットユーザーが主に活動するホームページ‘日刊ベスト保存所’(日ベ)の会員たちは‘我が民族同士’の加入者の名前やEメールアドレスなどを使って個人情報を検索した後、日べのホームページに‘囚人番号’という名前を付けて加入者の職業や年齢、出身大学、家族の写真まで掲載した。また、掲示板に彼らを‘スパイ’呼ばわりして "国家情報院に国家保安法違反の疑いで申告した" として認証写真まで付けたり、当事者に非難の携帯メールも送ったという。
北韓が運営するサイトに加入したという事実だけで‘スパイ’呼ばわりすることは明らかにサイバーテロに違いない。彼らが‘囚人番号’を付けて公開した加入者の中には、取材のために加入したマスコミ関係者や北韓の専門家など多様な目的で加入した会員たちがいる。
警察の内偵も慎重であるべきだ。まずハッキング自体が違法なので、違法に取得したものの証拠能力に関する問題がある。過去のエックスファイル事件で、盗聴で収集したサムスンと検察官僚のわいろ疑惑を葬り去っておきながら、今になってハッキング資料を基に処罰を云々するのは説得力に欠ける。しかも‘我が民族同士’の本社とサーバーが中国にあり、家宅捜査して証拠を収集すること自体が不可能なのに、どのようにして加入経緯と‘利敵目的’を確認しようというのかも疑問だ。
北韓の第3次核実験以後に造成された緊張局面を利用して一部のネチズンがマッカーシズム的な火遊びを行おうとするのには警戒が必要だ。公安当局もやはりこれに便乗しようとしては困る。国家情報院が「政治コメント」事件の解明過程で‘1:9:90’の法則などと言って、親北韓左派の清算を掲げたが、実際に示された証拠や捜査実績の類はない。突然‘スパイ’ないし‘囚人’に追いやられ、人権侵害にあっている人々を救済するのが至急の命だ。捜査機関は事の前後をうまく仕切って対処しなければならない。