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[社説] 先進国の無分別な通貨膨張は自制すべきだ

登録:2013-01-25 00:47 修正:2013-01-25 07:52

 日本の安倍政府の攻撃的な通貨緩和政策が、世界経済のかく乱要因になっている。一昨日開幕したダボスフォーラムは日本を糾弾する場と思わされるほどだった。日本政府の露骨な中央銀行介入は深刻な反則行為であり、為替レートの政治化を招くという非難であふれた。クリスティーン・ラガルドゥ国際通貨基金総裁は "国際通貨基金は隣人を乞食にする政策を各国が採択しないように最善を尽くす" と不満感を表わした。

 日本政府はこれに先立って慢性的なデフレーションから抜け出すために物価上昇率目標を2%に上げ、来年から毎月13兆円規模の資産を市場から無期限に買い入れることにした。安倍総理が昨年11月から大胆な通貨緩和政策を日本銀行に求めて、1ドル80円内外だった円の価値は90円水準まで下落した。安倍総理が100円程度が適切だと語った経緯があるほど人為的な為替政策を展開することは国際社会を深刻に憂慮させている。

 日本銀行が通貨をむやみに印刷した場合、日本は結局財政赤字が拡大し国際社会から為替レート操作国という汚名を着せられ、国家の信用等級が下落することは避けられない。原子力発電所の停止で石油と天然ガスの輸入が大きく膨らみ、円の劣勢は日本経済にとっても大きな負担になる。攻撃的な通貨緩和政策は日本経済の回復にも役立たず、限界が明らかなだけに自制すべきだ。

 日本の通貨緩和を口実に米国やヨーロッパなど世界の通貨基軸国が自分の取り分に汲々として、争って量的緩和という手段に依存することによって状況をより一層悪化させることもあってはならない。米国とヨーロッパは金融危機を誘発しておきながら、無制限な量的緩和に乗り出し為替レート戦争を触発した当事者だ。アベノミクスがグローバル為替レート戦争を触発するものだと非難する前に、自らを省みるべきだ。為替レート戦争は重ねて述べるまでもなく共倒れに向かう道だ。先進国は無分別な通貨膨脹を自制しなければならない。

 先進国の量的緩和で最も大きな被害をこうむるのは、韓国をはじめとする新興国だ。輸出の道が閉ざされてホットマネーの流入で金融市場の混乱がもたらされかねないからだ。韓国ウォンの価値が日本円より1%上がるごとに韓国の輸出は日本の輸出にくらべて1.1%下落し、輸出企業は非常事態になっている。日本の国債など日本の円資産を大量に買い入れた中国は最近の日本円急落で相当な損失をこうむった。

 来月パリで開かれる主要20ヶ国財務長官・中央銀行総裁会議で世界経済の混乱を避けるための国際協調策を見出すために外交的な努力をつくさなければならない。国内的には外国為替の保有を多角化して企業競争力を高める万全の準備が必要だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/571170.html 韓国語原文入力:2013/01/24 19:28
訳T.W(1245字)