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[社説]‘タクシー公共交通法’より政府の代替案がましだ

登録:2013-01-23 16:54 修正:2013-01-24 07:39

 タクシーを公共交通手段として認定し支援する‘公共交通育成及び利用促進法改正案’(タクシー法)に対して李明博大統領は昨日、拒否権を行使した。 これで‘タクシー法’の議論の場は再び国会に戻った。タクシー法は問題が多くて反対世論が圧倒的に多い。拒否権行使は民意に従ったものであるだけに与野党はこれを尊重し再可決してはならない。政府が作った代替法案‘タクシー運送事業発展のための支援法案’が、タクシー業界に実質的に役に立ちえる手段であるゆえに、国会はこれを元にして受け入れることを願う。

 代替法案は、公共交通法の体系は崩さずに、タクシー産業が必要とする支援の根拠が盛り込まれている。まずタクシー問題の根本原因を供給過剰と見て、5年ごとに行う実態調査の結果に従ってタクシーの総量制を行うようにしている。政府は全国で運行するタクシー25万台のうち20%程度を過剰供給車両と見て、地方自治体が積極的に総量制を履行しない場合は直接、需給管理に介入する計画だ。政府案には運送費用の転嫁禁止、運送従事者の福祉基金積み立て、長時間労働防止などタクシー業界の従事者に直接役立つ手立ても含まれている。政府は福祉基金のために助成金を出すことも検討するという。タクシー業界が希望している公営駐車場を、一部の緑地帯を活用するなどして設けることも盛り込まれている。

 タクシー業界の現状から見れば、政府の支援が業界従事者の福祉向上とタクシーの競争力向上に実質的に役立つと言える。国会が可決したタクシー法は財政に過剰な負担を与え、他の運送手段との公平性の問題を招くだけでなく、主にタクシー事業者中心の支援策が含まれている点も問題だ。公共交通とは大量輸送が可能な交通手段が一定の路線をダイヤに従って運行することを意味するが、タクシーは個別交通手段であるため、この範疇に含まれえず、外国での例もない。1兆9000億ウォン規模の財政支援を設定しているものの、実際に反映される(国の)予算はネズミの尻尾ほどに過ぎず、財政負担の大部分は地方自治体に抱え込ませ、市道協議会の反発をかっている。このような形ではタクシー業界も実益を期待し難い。タクシーの公共交通化は問題の焦点をぼかし、究極的な解決を遅延させかねない。

 与野党は大統領選挙中に有権者の支持を目的に無理な約束をした点を謙虚に反省し、問題解決するときだ。民主党が社会的な合意を振りかざし再可決の推進を公言しているのは見苦しい。セヌリ党も政府の立場を聞いてみるとして(反対する)余地は残しているものの、民主党の態度が強硬であれば再可決せざるを得ないとしており、責任感は感じられない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/570777.html 韓国語原文入力:2013/01/22 19:35
訳T.W(1228字)