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[社説] 中国漁船員 死亡、再発防止対策が重要だ

登録:2012-10-18 07:11 修正:2012-10-18 14:40

一昨日わが国の西海(ソヘ)海上で不法操業をしていた中国漁船員1人が亡くなる事故が起きた。不法操業の取り締まり過程で、中国漁船員が海上警察の武器によって死亡したのは初めてだ。まだ最終調査結果がまとめられていないが、のこぎりや刃物を振り回して取り締まりに抵抗する中国漁夫を鎮圧する際に、1人がゴム弾に撃たれ死亡したと海上警察は説明している。経緯がどうであれ警察の武器により外国漁船員が亡くなったことは非常に不幸なことだ。 深い弔意を表わしたい。

 中国政府は外交経路を通じて今回の事件に対する強い憂慮と不満の意を伝えてきた。中国漁船員が初めて海上警察の鎮圧装備によって亡くなっただけに、中国政府は事案を重く見ているという意味だろう。政府は中国政府の動きに関わらず、徹底した真相調査とともに法と常識に則り事件処理に最大限の誠意を見せなければならない。

 だが中国政府も今回の事件が外交問題ではないという点を明確に認識する必要がある。この事件の本質は不法操業を取り締まる過程で発生した偶発事故であり、それ以上でも以下でもない。典型的な領事問題だ。それでも警察力の行使過程で外国人が死んだ問題は尋常ではない。政府は海上警察の対応が適切だったか、ゴム弾による死亡が真実かなどをきっちりと解明し、相手が理解できるよう説明する責任がある。もともと領事問題と外交問題は別々に存在するのではなく、領事問題を誤って処理すれば外交問題になりうるという事実を肝に銘じなければならない。

 西海岸沖の中国漁船の不法操業と、これによる物理的な衝突は昨日今日のことではない。 昨年12月には取り締まりをしていたわが国の海上警察官が逆に中国船員が振り回した凶器で亡くなる事故が起きた。2008年9月にも海上警察官が中国船員の鈍器に打たれて亡くなったし、2010年10月には取り締まり過程で中国船員が海に墜落して死亡したこともある。最近になって中国の不法操業が急増し、これに合わせて海上警察も対応手段を強化しているという点を考えれば、今回の事件は‘来るべきものが来た’ということができる。

 両国政府は今回の事件を契機にこのような事件を産む構造的問題を解決することに力を注がなければならないはずだ。それでこそ不幸な事件の再発を防止できる。特に中国近海の漁場荒廃のためにわが国海域に越境してくる中国漁船を中国政府は厳しく取り締まる義務がある。わが政府も強力な取り締まりだけに依存するのではなく、魚類の資源保護と漁業秩序の確立のための共同協力体制作りのために大いに努力すべきだ。

韓国語原文入力:2012/10/17 19:15
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/556229.html 訳T.W(1349字)