米国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表が「北朝鮮がいつでも核実験に踏み切る可能性がある」とし、「迅速かつ断固たる対応を取る」と警告した。一方、外交を通じて北朝鮮の安全保障上の懸念を解消することができるとし、北朝鮮に前提条件のない対話に乗り出すよう呼びかけた。
キム代表は7日(現地時間)、電話ブリーフィングで「北朝鮮は明らかに豊渓里(プンゲリ)で(核実験の)準備を終えており、私が知る限りではいつでも核実験が可能だ」と述べた。しかし、核実験の日付は予測できないとし、「彼らが核実験を控えることを望んでいる」と述べた。
キム代表は、北朝鮮が今年に入って弾道ミサイル31発を発射し、年間記録を破ったとし、「われわれはルールに基づいた国際秩序を露骨に違反し、範囲と規模の面で明確な弾道ミサイル発射実験活動の増加を目撃している」と述べた。そして、北朝鮮が7回目の核実験を敢行するなら、「シャーマン副長官が言ったように、米国の対応は迅速かつ断固たるものになるだろう」とし、「国際社会が容認できない核実験には確実に対応する」と強調した。先立って韓国を訪問しているウェンディ・シャーマン国務副長官は北朝鮮に対し、「迅速かつ断固たる対応を取る」と警告した。
キム代表は、「米国の真摯さを示すため、(ジョー・バイデン)大統領と(アントニー・ブリンケン)国務長官が、北朝鮮と前提条件のない外交を追求するという立場を重ねて表明したが、反応がなかった」と明らかにした。また、「個人的なチャンネルを通じてもそのようなメッセージを伝えており、それには米朝高官間の個人的なメッセージも含まれる」とし、「昨年1年間、このようなメッセージをいろいろな方法で、第三者を通じて、または書面を通じて伝えた」と明らかにした。直近では、北朝鮮の新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況に関する援助の意思も伝えたという。そして、「しかし、これまで北朝鮮は反応を示しておらず、彼らが(米国との)関与に関心があるという兆しをみせていない」と述べた。
しかし、キム代表は「引き続き北朝鮮との接触を図り、外交的アプローチに専念する」とし、「われわれは彼らが懸念する問題を解決する意思があることを明確に示してきた」と述べた。また「ドナルド・トランプ政権の北朝鮮との交渉より進んだ提案ができるか」という質問には「北朝鮮が外交の道を探すことに関心を示すならば、外交のためのより包括的で柔軟で開かれたアプローチをする意向がある」と答えた。さらに「北朝鮮が核実験までする可能性がある状況で、外交的アプローチをやめ、他のアプローチを追求するタイムテーブルのようなものがあるか」という質問に、「そのような期限はない」とし、「外交経路を通じて朝鮮半島の完全な非核化を追求し、双方の懸念を解消することに専念する」と答えた。しかし「外交に専念する間も、われわれ自身と同盟を保護するため、韓国や日本とともに強力な抑止力を維持し、各国が国連安保理決議を実質的に執行する努力もする」とし、制裁を通じた圧力も強調した。
キム代表は、中国とロシアが国連安保理で北朝鮮に対する追加の制裁に反対したことについて、「北朝鮮がさらなる挑発と安保理決議違反をするよう助長する恐れがある」と述べた。その一方で「中国が重要な役割を果たせると信じている。彼らも朝鮮半島の非核化というわれわれの窮極の目標を共有し続けると信じている」と語った。