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英国国防省「ウクライナ侵攻したロシア軍、地上戦力の3分の1失った」

登録:2022-05-17 06:06 修正:2022-05-17 07:07
国防情報局「ロシア、ドンバスへの進撃の速度を上げられないだろう」 
NATO事務総長「戦略的目標を達成できていない」
今月15日、ウクライナ北東部ハルキウで、男性が砲撃で壊れた家を茫然と見ている=ハルキウ/EPA・聯合ニュース

 ロシアがウクライナ侵攻に動員した地上軍戦力の3分の1ほどを失ったものとみられると、英国国防省が明らかにした。

 英国防省傘下の情報機関、国防情報局(DI)は15日、ソーシャルメディアに掲載した定例情報報告書で、「ロシアは今年2月(ウクライナ侵攻)に参加した地上軍兵力の3分の1を失ったものとみられる」と分析した。さらに、「ロシアの(ウクライナ東部)ドンバス攻勢は動力を失い、予定より大幅に遅れている」とし、「戦争初期、小規模進軍を行ったにもかかわらず、ロシア軍は持続的に高い水準で消耗し、実質的な領土獲得には失敗した」と書いた。

 国防情報局はまた、「ロシア軍は作戦能力の低下や持続的な士気の低下、戦闘効率の低下によってますます(戦争遂行)能力が衰えている。このような能力のうち、多くは直ちに代替と再建を行うのが難しいものであり、ウクライナでロシアの作戦を阻害し続ける可能性がある」とし、「現在の状況でロシアが今後30日間急激に進撃の速度を上げることはないとみられる」と指摘した。ロシアは2月24日のウクライナ侵攻開始直後にウクライナの首都キーウ占領を試みたが失敗し、4月末~5月初めからロシアと国境を接するウクライナ東部ドンバス地域およびウクライナ南部地域を占領することに戦略を集中している。

 北大西洋条約機構(NATO)も同様の分析を示した。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は15日、ベルリンで開かれた外相会合で、「ウクライナでロシアが起こした戦争は、モスクワが計画した通りには進んでいない」とし、「キーウを占領できず、ハルキウからも押し出されているうえ、ドンバスでの主要攻勢も停滞している。ロシアは戦略的目標を達成できていない」と述べた。

 NATOはこのような独自の戦況分析のもと、加盟国にウクライナに対する支援の強化を呼び掛けた。英紙「ガーディアン」の報道によると、NATOのミルチェア・ゼオアナ事務次長はベルリン会合で「残酷なロシアの侵攻が動力を失いつつある」として、「我々はウクライナ国民や軍隊の勇気と我々の支援で、ウクライナがこの戦争で勝利を収められると確信している」と述べたという。

チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1042978.html韓国語原文入力:2022-05-1611:13
訳H.J

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