本文に移動

日本製鉄、資産差し押えを避けるため「即時抗告方針」を表明

登録:2020-08-05 05:57 修正:2020-08-05 07:50
韓国裁判所の「徴用企業の資産差押え」の発効受け 
抗告すれば「資産の現金化」の執行停止が可能に 
日本の閣僚、一斉に「報復措置」を示唆 
菅官房長官「あらゆる選択肢を視野に入れ毅然と対応」 
日本の与党は政府に「韓国制裁」を提言
韓国と日本の市民団体活動家や強制動員訴訟被害者の弁護士らが2018年11月12日、韓国最高裁の損害賠償判決の履行を求める要請書と被害者4人の写真を持って、東京の新日鉄住金(現日本製鉄)本社に向かっている=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の裁判所が下した強制動員賠償被告企業「日本製鉄」(旧新日鉄住金)の資産差し押えの公示送達が4日に発効したことを受け、日本製鉄が資産差し押えを避けるため、「即時抗告」の方針を表明した。

 日本製鉄は4日、「徴用工(強制動員被害者)問題は国家間の正式な合意である(1965年の)日韓請求権・経済協力協定により、『完全かつ最終的に解決された』ものと理解している」という内容の声明を通じて「即時抗告方針」を明らかにしたと、読売新聞などが報道した。

 大邱地裁浦項(ポハン)支院は今年6月、日本製鉄が差し押え命令書類の受け取りを拒否し、1年5カ月以上時間を引き延ばしてきたことを受け、書類が相手側に渡ったとみなす「公示送達」決定を下した。これにより、4日0時を期に差し押え命令の効力が発生し、裁判所は日本製鉄が所有している韓国内の株式に対する現金化命令を下すことができる。

 日本製鉄は2008年1月、ポスコと提携して作った「PNR」の株式8万1075株(額面価格5000ウォン基準で4億537万ウォン=約3600万円)を保有している。不服申立ての方法の一つである即時抗告をすれば、法律的に執行停止の効力がある。その後、高等裁判所は即時抗告を棄却するか、執行命令を下した裁判所の決定を取り消すことができる。

 日本製鉄は最高裁で原告勝訴趣旨の破棄・差し戻し審の判決が出て1カ月後の2012年6月の株主総会で「(判決が確定すれば)法律は守らなければならない」(佐久間総一郎常務)とし、強制動員賠償判決を受け入れる意向を示した。しかし、日本製鉄は2018年に最高裁で原告勝訴判決が確定した後、判決を受け入れられないという安倍晋三政府の立場と歩調を合わせている。

 日本の閣僚たちはこの日一斉に、現金化が実現すれば“報復措置”に乗り出すことを示唆した。菅義偉官房長官は午前の定例記者会見で、「関連企業と緊密に連携し、日本企業の正当な経済活動の保護という観点からも、あらゆる選択肢を視野に入れて毅然と対応していきたい」と述べた。麻生太郎副首相も「韓国側の対応は国際的な常識とは違う。流れとしては対応を取らざるを得ない方向になりうる可能性が出てきている」と述べた。

 日本の報復措置としては、駐韓日本大使の召還▽韓国人に対するビザ発給の制限▽韓国商品の関税引き上げ▽日本商品の韓国輸出規制の強化▽金融制裁▽国際司法裁判所(ICJ)への提訴などが挙げられる。

 自民党内の保守派議員の会「保守団結の会」は4日、日本企業の資産売却が現実化すれば「直ちに実効性の高い制裁を加えるべきだ」という内容の決議文を政府に提出した。

シン・ギソプ先任記者、チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/956451.html韓国語原文入力:2020-08-05 02:02
訳H.J

関連記事