研究を口実にした捕鯨と残酷なイルカ虐殺で悪名高い日本が、今度は象密猟の結果である象牙取引の仲介基地の役割を果しているとし、国際環境団体から後ろ指を差されている。
世界自然基金(WWF)は先週、全世界的な野生動植物取引監視ネットワークであるトラフィック(TRAFFIC)が作成した「象牙の塔:日本の象牙取引と国内市場に対する評価」報告書を公開し、日本を「世界最大の象牙市場の一つで、活発な象牙加工産業の故郷であり、個人所蔵の形態で相当な規模の未加工象牙を備蓄している国」と規定した。
この報告書に提示された「不法取引象牙差し押さえデータベース」であるETIS(Elephant Trade and Information System)の集計結果を見れば、2011年から2016年の間に日本から不法に輸出され主に中国の法執行機関に押収された象牙や象牙製品は計2.42トンに達する。一方、同じ期間に日本が不法輸入で差し押さえた象牙や象牙製品は43キロに過ぎず、象牙の不法取引摘発に消極的な日本の態度を傍証している。
自然基金は「ETIS資料で捕捉された不法象牙取引活動は、象牙製品が日本から中国に一方的に輸出される傾向を示し、その比重が重量基準で象牙不法輸出の95%を占めることを示す。また、日本が東アジアの市場を目的地とする不法象牙供給源になったという結論を一層裏付けている」と明らかにした。
このように日本が象牙不法取引の橋渡しとなっているのは、象牙取引に対する規制が不備なためということが環境団体の指摘だ。伝統的に象牙や象牙製品を好む中国もすでに昨年、2018年から象牙取引を中断すると発表した。これに伴い、世界自然基金のホームページには、中国で象牙取引禁止が始まる来年1月1日0時までの残った時間を表示する時計まで掲げてカウントダウンしている。だが、日本は象牙市場を閉鎖しろとの国際環境団体の要求を拒否し続けてきた。
日本は遅ればせながら来年6月から象牙製品の製造・販売業者の登録要件を強化することにした。しかし、この措置は施行される前から不法資金を合法資金に洗浄するように、不法象牙を合法的製品に洗浄する道を開くことになりうるという批判を受けている。世界自然基金もこれと関連して「トラフィックが分析した結果、不法活動と闘う努力を継続的に阻害する恐れがある深刻な欠陥がすでに発見された」と憂慮した。世界自然基金は「規制が正しくなされない日本国内の象牙市場は、よく組織された国際犯罪ネットワークに対し、日本を不法輸出用象牙製品を収益性高く調達できる目標にしている」として、絶滅危機に瀕した野生動植物の国際間取引に関する協約(CITES)に則り、日本に象牙市場を閉鎖することを要求した。
世界自然基金-香港の保全理事であるキャビン・エドワーズは、自然基金のホームページに掲示された発表資料で「中国が今年末に合法的象牙取引を禁止するのを機に、日本や他の国々も後に従わなければならない。毎日平均55頭の象が密猟されていて、象牙市場を開いておくことはできない」と話した。