国連安全保障理事会(安保理)は23日(現地時間)、米国、中国、北朝鮮などに包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を求める決議を採択した。「核なき世界」を掲げたバラク・オバマ大統領の最後の業績だ。
安保理はこの日全体会議を開き、1996年9月の国連総会で採択したのち20年間漂流しているCTBTの発効を求める決議を採択した。安保理の15の理事国のうち14カ国が賛成し、非常任理事国のエジプトが棄権した。
CTBTはすべての国家の核実験を禁止する条約で、世界188カ国が条約に署名し、166カ国が批准した。しかし条約を発効させるためには、原子力能力を持つ44カ国の署名または批准が必要だが、8カ国が依然として拒否している。米国、中国、エジプト、イラン、イスラエルの5カ国は署名はしたものの批准しておらず、北朝鮮、インド、パキスタンの3カ国は署名・批准を行っていない。
特にCTBTに最も消極的な国の一つは米国だった。米国は、ビル・クリントン元大統領の時この条約に署名したが、共和党が掌握した議会が反対し、批准に失敗した。オバマ大統領も批准を推進してきたが、共和党の反対で果たせなかった。
これによりオバマ大統領は「国連安保理決議採択」という迂回路を通じて議会を圧迫することにし、主導的に「CTBT批准要請」決議を推進してきた。またオバマ政府は、北朝鮮の最近の5回目の核実験をCTBT批准の必要性を喚起する名分とし、国内世論を説得する作業を行った。もちろん、オバマ大統領の任期中に共和党が多数を占める米議会がCTBTを批准する可能性はほぼない。ビタリー・チュルキン国連駐在ロシア大使は「次期米国大統領が批准にさらに確固たる意志を持つことを望む」と述べた。