日本政府が‘若者たちを使い捨てるブラック企業’に対する監督を強化し始めた。
‘ブラック企業’とは、雇用事情が悪く簡単には会社を辞められない若者たちを主に犠牲にして、長時間超過労働を強要しながら賃金をまともに支給しない方法で人件費を減らしている企業らを称する用語だ。 日本厚生労働省はこのような事業体を大挙摘発し、是正を勧告し、直さない場合には社名を公表し検察に捜査を依頼することにした。
厚生省は17日5111ヶの事業場を対象に、9月に実施した労働基準法など労働法違反監督結果を発表したが、全体の82%にあたる4189ヶの事業体で法令違反事例があったことが明らかになった。 特に飲食店など接客娯楽業者の87.9%、タクシーなど輸送交通業者の85.5%で違反事例が摘発された。 調査対象の内、121ヶ所は若い社員の離職率が高くブラック企業と疑われる企業であり、残りは労働基準監督署に法違反と関連した労働者の相談が受けつけられたところを中心に選んだ。 厚生省がブラック企業に対して調査を行ったのは今回が初めてだ。
法違反の形態は労使間で合意した限度を超過して超過労働をさせた業者が43.8%にあたる2241ヶ所で最も多かった。 超過労働が最大月80時間を越えた業者が1230ヶ所(24.1%)、100時間を越えた業者も730ヶ所(14.3%)に上ったと厚生省は明らかにした。 長時間労働で労働者が精神障害を起こし、労災申請をした事業体で、依然として労働者に月80時間を越える超過労働をさせていた事例も摘発された。 過度な労働にともなう健康障害予防措置を実施しなかった業者も71ヶ所(1.4%)が摘発された。
残業をさせても賃金をまともに支給しないところも23.9%にあたる1221ヶ所に達した。 厚生省は「ある事業体の場合、70%の職員に管理者職位(係長以上)を付与して超過勤労手当てをまともに支給していなかった」と発表した。 またある会社では、営業実績が悪いという理由で基本給を削って摘発されもした。 勤労時間をまともに計算しなかったり、超過勤労手当ての算定を正しくしていなかった会社も多かったと厚生省は付け加えた。
厚生省は監督結果にともなう是正勧告に従わない企業に対しては、社名を公表し、調査内容を検察に渡す計画だ。 田村憲久 厚生大臣は記者会見で「若者たちを使い捨てにしているという疑いがある企業が、実際に法に違反した場合には厳格に対応する」と話した。
<毎日新聞>は「企業間競争が激化する中で、企業らが簡単に手を付けられる人件費に視線を転じながら、不法な給与削減が横行している。 史上最悪に上り詰めている過労死と過労による自殺認定件数がこのような現実を後押ししている。 特に職場経験の短い若者たちが使い捨てられている」と指摘した。
日本では2008年に黒井勇人(’ブラック企業で働いている人を助ける人’という意)というペンネームの著者が<ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない>というタイトルの本を出版社 新潮社から出版したことを契機にブラック企業問題が水面上に浮上した。 日本の市民団体は2012年から‘ブラック企業大賞実行委員会’を作り、投票を経て主要ブラック企業名簿を発表している。 今年は日本式飲み屋(居酒屋)チェーン店 ワタミを運営するワタミフードサービス株式会社に‘大賞’を与えた。
チョン・ナムグ記者 jeje@hani.co.kr