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イスラエル、シリア化学兵器センター爆撃

チャムナヤ軍事研究団地ミサイル攻撃
アサド政権 化学兵器 使用情況に
アメリカに代わって軍事報復に出たもよう
内戦が国際的代理戦争に飛び火する様相

 イスラエルがシリアに2度にわたる連続空襲と爆撃を敢行した。 シリア内戦が本格的な国際的代理戦に飛び火する様相だ。

 5日朝、シリア、ダマスカス郊外の軍事研究施設であるチャムナヤ団地で強力な爆発が起きた。 シリア国営テレビはこの爆発がシリアの軍事施設に対するイスラエルのミサイル攻撃のためだと報道した。 イスラエルは2日にもイランがレバノンのイスラム武装団体ヒズボラに伝達する空対空ミサイルの船積みを狙って、ダマスカス国際空港を空襲したと<ニューヨークタイムズ>が米国官吏たちの言葉を引用して報道した。

 イスラエルは去る1月末にもロシアがシリアを通じてヒズボラに供給したSA-17対空ミサイル輸送車両を空襲したと米国情報官吏が確認した経緯がある。

 イスラエルが空襲したチャムナヤ団地はシリアの生化学兵器研究センターとして知られている。 シリアのパシャル アル-アサド政権が化学兵器を使った情況に火が付いた状況で空襲が行なわれた。 米国など西側諸国がレッドラインとして設定した化学兵器をシリアが使った情況があらわれ、米国はシリア反乱軍に対する武器供給を含む軍事介入などすべての選択を排除しないと明らかにした経緯がある。

 イスラエルが自国の安保に対する威嚇と見なしたヒズボラに対する武器供給阻止を越えて、シリアの生化学兵器施設を爆撃したのは、米国の悩みを代わりに減らそうとする意図と見える。 米国はシリア内戦勃発以後、アサド政権に数多くの警告をしてきたが、アサド政権の化学兵器使用情況の前でも特別な対応を出来ずにいる。 アサド政権以後の青写真がないばかりか、米国の直接的な軍事介入が内戦を激化させる危険が大きいためだ。

 もちろんイスラエルのシリア空襲には自国の安保を威嚇する対象に対する軍事措置の正当性を確保しようとする布石が敷かれている。 駐米イスラエル大使館は5日、空襲の事実は確認していないものの「イスラエルはシリア政権がテロリスト特にレバノンのヒズボラに化学兵器や他の局面転換(ゲームチェンジャー)兵器を伝達することを断固として阻むだろう」と明らかにした。 メキシコなど中米を歴訪しているバラク・オバマ米国大統領は「イスラエルがヒズボラのようなテロ団体に先端兵器が渡されるのを防ぐことは正当だ」として、今回の攻撃はイスラエルの自衛権に属すると話した。

 イスラエルが積極的に介入しながら、シリア内戦が国際的代理戦争へと激化する可能性が高まった。 現在、シリア内戦では各勢力が色々な形の戦線を形成している。 △ロシア-イラン-シリア アサド政権-ヒズボラにつながるアサド政権軸△米国をはじめとする西側-サウジアラビアなど中東の保守王政国家-自由シリア軍(FSA)につながる親西側反乱軍の軸△アルカイダ-勝利戦線(ヌスラ フロント)につながる反西側イスラム主義武装勢力の軸が内戦の3大勢力だ。

 この内、親西側反乱軍軸とイスラム主義武装勢力軸はアサド政権打倒という目標を共有しながらも、主導権をめぐって角逐している。 西側はイスラム主義武装勢力の勢力拡大を憂慮して、反アサド勢力に対する積極的な支援には出られずにいて、アサド政権もイスラム主義武装勢力に対する抑制を使って西側を圧迫している。

 イスラエルの介入により、中東とイスラム世界でイスラム主義武装勢力とアサド政権の立場と正当性が高まる可能性もある。

チョン・ウイギル先任記者 Egil@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/586001.html 韓国語原文入力:2013/05/05 22:16
訳J.S(1638字)