原文入力:2011/10/05 20:43(1344字)
キム・ジェソプ記者
"WCDMA特許無断使用" フランス・イタリアに提訴
早ければ数日中に結論…韓・米でも仮処分訴訟を計画
米国アップルのスマートフォン新製品‘iPhone4S’が三星電子の輸入・販売禁止仮処分申請により発売されるやいなや販売禁止の危機に立たされることになった。同時にアップルと三星電子の特許侵害訴訟戦が正面対決に上り詰める展望だ。
三星電子は去る4日(現地時間)に発表されたiPhone4Sに対する輸入・販売禁止仮処分申請を5日、フランスとイタリアの裁判所に出した。三星電子が提訴した内容は広帯域コード分割多重接続(WCDMA)通信標準に関する特許で、スマートフォンなど通信機器になくてはならない核心技術だ。関連特許技術は△伝送するデータ形式を安全にあらかじめ知らせる技術△データ伝送エラーが発生した場合にデータを復元する技術△伝送データ量が少なければまとめて符号化する技術の3種だ。
三星電子関係者は「早ければ数日内に結論が出てくるかもしれない」として「これら裁判所の決定を受け次第、米国と韓国などでも仮処分申請を出す計画」と話した。三星電子は当初米国で先に仮処分申請を出そうとしたが、米国消費者たちの愛国心に触れることを憂慮しヨーロッパに先に出すことにしたと知らされた。
三星電子が電撃的にiPhone4Sの輸入・販売禁止仮処分申請を出したことは積極的に対応しなければアップルとの特許紛争を終わらせられないという判断からだ。iPhone事業をやめる他はない状況にまで追い詰めてこそアップルを技術使用料交渉のテーブルに引き出せるということだ。
三星電子はこれに伴い、今後アップルに対する攻勢を一層強化する計画だ。三星の高位関係者は5日「アップルが三星電子の通信技術を使っているという事実を知っていたが、アップルが部品側では主要顧客であることに加え、iPhoneがスマートフォン市場を拡大する側面もあり積極的に問題提起をせずにアップルの訴訟に対しても防御的に対応してきた」として「だが、アップルの態度が度を越した以上、これからは先制的で攻撃的に対応するだろう」と話した。
三星電子はアップルとの特許争いですでに‘勝機’を捉えた。アップルはオランダ裁判所で三星と結んだ秘密遵守契約にまで違反し「三星が3世代移動通信技術の使用料をあまりに過度に要求した」と明らかにし、三星の通信技術を無断で使ってきた事実を認めた。
三星電子は特許でアップルをしばると同時にアップルのデザイン権利を無力化させる戦略も展開している。三星電子は去る8月9日、ヨーロッパ商標デザイン庁にアップルのデザイン権に対する無効審判を請求した状態だ。三星電子は「ヨーロッパ商標デザイン庁の無効審判を受け取れば、アップルのデザイン権はヨーロッパ全域で効力を失うことになる」と明らかにした。
キム・ジェソプ記者 jskim@hani.co.kr
原文: 訳J.S