原文入力:2011/08/23 22:00(1313字)
‘韓-米 FTA’輸出企業にブーメラン
チョン・ウンジュ記者
原産地基準 充足できない場合
関税恩恵 受けられず 負担増
衣類 56%だけが基準をクリアー
韓-米自由貿易協定(FTA)が発効されても、我が国の輸出品が原産地(韓国産)基準を充足できない場合には米国政府に支払わなければならない物品取り扱い手数料が57%増えるものと見られる。原産地を認められないことにともなう関税負担に加え手数料までが増えるということだ。
23日、米国の上.下院で非公式審査を終えた‘韓-米自由貿易協定履行法案’と‘貿易調整支援’(TAA)制度延長法案を見れば、米国政府は原産地と認められない工産品に対して現行物品輸入額の0.21%の物品取り扱い手数料を0.329%に上げることになっている。原産地と認められた輸出品は関税とともに手数料が廃止されるが、そう出来なければ関税(平均3.5%)だけでなく手数料まで57%さらに支払わなければならないという話だ。物品取り扱い手数料とは輸入品が米国関税法と貿易法を遵守したものか否かを審査する名目で米国が徴収する非関税行政手数料だ。FTA被害支援金を用意するために今回手数料を大幅引き上げしたわけだ。
問題は韓-米FTAが原産地基準を厳格に適用するために国内企業の被害が増える可能性が高いという点だ。実際、わが政府が代表的な恩恵業種に挙げた繊維・衣類の場合、韓国産製品であることを認めらるためには原則上 韓国産か米国産原糸で織物を編み、我が国で衣類を裁断・縫製しなければならない。他の分野では第3国の原材料が一定比率を越えれば原産地と認定することとは異なり、韓-米FTAは繊維分野で原糸供給が不足したきわめて一部の品目を除いては全て厳格な‘原糸基準’を適用している。これについて関税庁は国内繊維会社の中で韓-米FTAの原産地基準を充足できる業者は最大56%に留まると推定している。
我が国が他国と締結したFTAでも国内工産品が原産地基準を充足している比率は高くない。韓-アセアン FTAが29%、韓国-インド FTAが17.7%に留まっており、韓-チリ FTAだけが85.5%で相対的に高かった。通商法専門家のソン・キホ弁護士は「物品取り扱い手数料を57%も一度に上げるのは、米国の保護主義非関税障壁であり、世界貿易機構(WTO)協定違反の素地がある」と指摘した。
一方、米国議会予算局(CBO)は韓-米FTAが発効されれば、原産地基準を充足した韓国産製品に対する関税が廃止され、2011年から2016年までに20億8500万ドルの関税収入が減るが、原産地基準を充足できない輸入品に対する物品取り扱い手数料が大幅引き上げされたために21億6700万ドルの新たな非関税収入が生じると推定した。 チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr
原文: 訳J.S