原文入力:2011/07/04 22:05(1718字)
イ・ジェミョン記者
ギリシャ救済金融執行承認などドル安 煽る
政府、物価安定のために介入自制…追加下落を予想
ウォン-ドル為替レートが5日連続で下落し今年の最低点を更新した。ギリシャ事態で触発されたヨーロッパ財政憂慮と米国景気回復鈍化など対外危険要因が一段と弱まったこともあるが、外国為替当局が物価安定のために介入に出なかったことも作用したものと分析される。
4日ソウル外国為替市場でウォン-ドル為替レートは前取引日より3.10ウォン下がった1063.5ウォンで締め切られた。去る5月2日に記録した年間底点1065ウォンを二ヶ月ぶりに更新したもので、2008年8月22日(1062.5ウォン)以後で最も低い水準だ。
この日の為替レート下落(韓国ウォン強勢)はユーロゾーン財務長官がギリシャに提供することを約束した救済金融の執行を承認し、米国ドル貨がユーロ貨に比べて劣勢を示し、ヨーロッパ中央銀行が今週にも金利引き上げを断行するという展望も力を加えた。ここに米国株価が4営業日連続で上昇しKOSPIが上昇出発したことも為替レートの下落を煽った。
ウォン-ドル為替レートは最近四日間で20ウォン近く下がるほど下落傾向が急だ。しかし外国為替当局の買収介入は目につかない。外国為替専門家たちは政府が物価を抑えるために外国為替介入強度を低めたことに伴ったものと分析した。パク・ジェワン企画財政部長官の就任後、物価安定にやや重心を載せているが、不動産価格や家計利子負担の増加など衝撃を与えるかねない金利引き上げより為替レートにさらに焦点を置いているということだ。
実際、政府は先月30日‘下半期経済政策方向’で‘物価安定’のために具体的課題として‘マクロ政策の安定運用’を挙げた後、市中流動性管理とともに‘為替レートの市場決定’を強調した。政府は 「為替レートは対外不安要因などにともなう急変動を緩和するものの、外国為替需給と経済ファンダメンタル(基礎条件)により‘市場で決定’されるように運用する」と明らかにした。昨年末に発表した‘2011年経済政策方向’には物価安定と関連して為替レートに言及した部分はなかった。
都市銀行のある外国為替ディーラーは「外国為替市場で政府の力は強大だ」とし「ウォン-ドル為替レートが年間底点を割り込んだが外国為替当局が積極的に介入しないことは政府の為替レート基調に変化があることを示している」と話した。これに伴い、国際金融市場でドル劣勢が解消されない限り追加的な為替レート下落が続く展望だ。
チョン・ヨンシク三星経済研究所首席研究員は「ウォン-ドル為替レートは当分1050~1060ウォン台でボックス圏が形成されると見る」として「今年下半期の平均為替レートは1040ウォン水準と見ている」と話した。彼は年内に1020ウォンまで落ちることもありうると付け加えた。
為替レートの下落は物価に肯定的だが輸出には否定的な影響を及ぼす。韓国銀行はウォン-ドル為替レートが10%下落する時、消費者物価上昇率は0.5%低くなると推定した。反面、ウォン-ドル為替レートが10%下落する時、年間経常収支は70億ドル悪化することが明らかになった。それでも政府がウォン-ドル為替レートの下落を容認しているのは、ウォン-円為替レートが高い水準にあるという点も作用したと見られる。ウォン-ドル為替レートは企業の収益性に影響を与えるが、輸出物量と売り上げはウォン-円為替レートにさらに大きな影響を受ける。チョン・ヨンシク首席研究員は「2007年にはウォン-円為替レートが790ウォン台だったが、今は1340ウォン台と高く、為替レート下落が競争力を大きく弱化させないと政策当局が判断しているようだ」と話した。
イ・ジェミョン記者 miso@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/485792.html 訳J.S