原文入力:2011/06/14 20:24(2008字)
キム・ギョンウク記者、アン・クァノク記者
緑の村モデル地、4ヶ所中3ヶ所は立ち消え・変質
公州月岩里の住民「560人中20人の意見だけ聞き」
事業 拙速推進「公募から選定まで3ケ月かからず」
←緑の村第1次モデル事業の現況
※政府、2020年まで総10兆4000億ウォン投入、全国に緑の村600個造成計画
←緑の村事業が立消えになった公州月岩里:昨年1月政府の“緑色エネルギー自立の村”造成事業のモデル候補地に選ばれたが、住民の反対で事業が取り止めになった忠南(チュンナム)公州市(コンジュシ)鶏龍面(ケリョンミョン)月岩里の村の全景。 最近政府は隣接する琴垈里(クムデリ)をモデル事業候補地に新しく選定した。 公州/キム・ギョンウク記者 dash@hani.co.kr
「村が滑稽なことになってしまった。 緑の村だか何だかのために住民が賛否に分かれて…」 去る8日午後、忠南公州市鶏龍面月岩里で会った住民チョン・某(50)氏は焼酎一杯ぐっとあおってこう言った。
人影もほとんど見えない村は寂寞としていた。 住民は村に関して話すことを避けたがっている様子で、できるだけ言葉を慎んだ。 昨年1月政府の“緑色エネルギー自立の村”造成事業モデル候補地に選ばれるとともに事業を巡って生じた住民の間の葛藤が、いまだに癒えていない模様だった。
いわゆる“緑の村”は、家畜の糞尿や残飯などを活用して自ら電気と熱を生産する村である。 イ・ミョンバク政府が重点的に推進している“緑色ニューディール事業”の核心だ。
行政安全部・環境部・農林水産食品部・山林庁の4部署が、昨年から第1次モデル事業地区を一つずつ選定して事業を進めてきた。 政府は2020年までに10兆4000億ウォンをかけて600個の緑の村を作るという構想だ。
しかしこの事業は根元から揺らいでいる。 政府が短期的成果を上げるのに汲々とするあまり、事業の妥当性の厳密な検討なしに拙速に推進したためだ。 それに加えて、住民たちの自発的参加を引き出せないまま官主導で事業を押しつけて住民の反発を呼んだ。
行政安全部が1年余りの間事業を推進してきた月岩里では先月初め事業を放棄した。 緑の村が作られても住民に及ぶ効果が大きくなく、悪臭が発生するという理由で住民たちが反対したためだ。 代わりに隣りの琴垈里(クムデリ)が先月12日新しく候補地として選定された。 月岩里の住民イ・ビョンギル(54)氏は「住民560人のうち20人の意見だけ聞くなど事業の拙速な推進によって、住民の間に葛藤を引き起こしただけ」と語った。 実際に行安部が事業を公募して候補地を選定するのに3ケ月もかからなかった。 公州市(コンジュシ)の関係者は「時間が迫っていて住民の意見を細密に聞いてみることができなかった」と打ち明けた。
環境部が事業を進めている光州(クァンジュ)広域市南区のスンチョン村も似た状況にある。去る1~5月になされた妥当性調査で経済性がないという分析が出るや、事業を返上しようという気流が強くなっている。 妥当性調査は事業施行後1年して遅れて実施された。 南区区役所の関係者は「今月中旬まで住民の意見を聞いて継続するかどうかを決める予定だが、返上という結論が出る見込みだ」と言う。
農林部が全北(チョンブク)完州郡(ワンジュグン)高山面(コサンミョン) 南峰里(ナ
ムボンニ)に推進中の緑の村は、事業性格が完全に変わってしまった。 緑の村の核心であるバイオガス事業が村の条件と合わないという理由で取り止めになり、村の整備事業に変質した。 ここにはエネルギー自立施設の代わりにサウナとゲストハウスなどが建つことになり、住宅および上下水道の工事が行なわれる予定だ。 4ヶ所の第1次モデル事業地のうち山林庁の推進する山林炭素循環の村(慶北奉化郡春陽面西碧里)だけが、今月末着工を控えている。
専門家は、ちゃんとした準備なしに予算だけ注ぎ込んで速度戦で進行するならば、失敗を繰り返すほかはないと指摘する。 イ・ユジン緑色連合緑色エネルギーデザインチーム長は「政府が緑の村のモデルとしているドイツのユンデマウルは住民の主導で7年かけて作られた」として「今のように政府が短期的に予算だけ注ぎ込んで事業を進行するならば、バイオガス プラント建設会社だけが腹を肥やすという結果をもたらすだろう」と指摘した。
公州・光州(クァンジュ)/キム・ギョンウク、アン・クァノク記者 dash@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/482724.html 訳A.K