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韓銀、大統領府に‘経済定例報告’

原文入力:2011-03-02午前09:15:10(1573字)
動向分析‘VIPブリーフ’実体確認…独立性き損論難

チョン・ヒョクチュン記者

←‘現 景気局面に対する評価’という題名の5ページ報告書

キム・チュンス総裁の指示により作成
財政部・金融委にも伝達
"協力だけで牽制は失踪 物価安定を守れる筈もない"

韓国銀行がキム・チュンス総裁の指示により昨年11月から主要経済懸案を調査・分析し、定例的に大統領府に提出してきた報告書の実体が初めて明らかになった。これは現行韓国銀行法が規定した‘効率的な通貨信用政策を通じた物価安定企図’(1章1条)という設立目的はもちろん‘中立的で自律的な政策執行と自主性尊重の原則’(1章3条)を傷つける素地があり論難が予想される。

1日<ハンギョレ>が単独入手した‘現景気局面に対する評価’という題名の5ページ分量の報告書(写真)を見れば、右上に‘VIP経済ブリーフ、動向情報’が大きく印刷されている。‘VIP’とは政府部署で大統領府報告用非公開文書を作る時に大統領を示す単語として使われる。

昨年12月24日に作成したこの報告書は昨年末に論難になった景気下降局面を分析し2011年景気を展望する内容を含んでいる。当時、同行指数(現在の景気状態を示す指標)が3ヶ月連続(昨年8~10月)下落すると一部では景気下降信号と解釈した。これに対し報告書は「最近の景気は一時的な調整を受けている」と診断した後「年間成長率が3.9%を上回れば傾向水準(景気上昇基調の持続を意味する)は可能だろう」と展望した。

韓銀関係者たちはこういうVIP報告書はキム・チュンス総裁の指示で昨年11月から作成していると伝えた。報告書は韓銀調査局調査総括チームが該当部署に資料作成を要請し集めた後、毎週水曜日に大統領府秘書室長と経済首席秘書官に提供していることが確認された。報告書伝達経路は韓銀でも調査局調査総括チーム長、調査局長、調査担当副総裁補、総裁などごく少数に限定されている。 特に報告対象には企画財政部長官と金融委員長も含まれており、韓銀内部では「中央銀行が大統領府と政府の下級機関に転落した」という自嘲的な声が出ている。キム総裁は最近、韓銀労組で報告書作成経緯を質問すると「韓銀に対する外部の友好的でない視線を克服し政策立案者に提供し政策に反映するために作るもの」と説明した。

韓銀法95条は‘企画財政部長官と金融通貨委員会および金融委員会は政策樹立に必要と認める場合、相互間に資料を要請できる’と定めている。したがって韓銀が重要経済懸案と関連して実務的次元で報告書を作成し政府部署と情報を共有することはできる。だがVIP報告書のようにすべての経済懸案にわたり報告書を作成し定例的に大統領府に提出したことはこれまでなかった。また、韓銀は国民の財産に影響を及ぼす通貨信用政策を執行するだけに、業務遂行と機関運営に公共性と透明性を確保するよう5条に明示されている。

匿名を要求した韓銀関係者は「韓銀は政府と協力もしなければならないが牽制機能も持っているのに、この報告書で韓銀と政府が通貨政策を交感しているような姿を演出しかねないという点で憂慮の恐れがある」と話した。韓銀金融統制委員を務めたキム・テドン成均館大教授(経済学)は「VIP報告書が今後も継続的に存在する限り、韓銀は経済成長に没入している政府の顔色を伺うほかはなく、韓銀の第1目標である物価安定をきちんと守ることが難しくなる」と指摘した。

チョン・ヒョクチュン記者 june@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/466003.html 訳J.S