原文入力:2011-02-06午後07:13:34(2057字)
金利、2ヶ月連続で上げれば景気に打撃 ‘ジレンマ’
為替レート、輸入物価に直接影響… "人為的調整しない"
油類税、 "国際石油価格 140ドル 上回れば引き下げ 検討"
アン・ソンヒ記者
政府の ‘物価との戦争’ 宣言にも関わらず物価不安がなかなか沈静の兆しを見せない。 これに伴い、政府と韓国銀行が ‘金利引き上げ’ と ‘ウォン-ドル為替レート下落’ という2つのカードをある程度の強度で使うかに関心が集中している。
政府は来る11日、物価安定対策会議を開き、韓銀は同日 金融通貨委員会を開き基準金利引き上げ可否を決める。
■政府目標すでに外れる
政府が今年、前面に掲げた経済運用目標は ‘5%成長-3%物価’ であった。だが、1月から物価上昇率が4%を越え、こういう基調が少なくとも3月までは続くと予想され、政府の物価目標は事実上 川を渡ったと分析されている。 政府はひとまず公式的には ‘3%’ 目標を修正しないという立場だが、当初予想より物価上昇率が上がる可能性は認めた。 ユン・ジョンウォン企画財政部経済政策局長は去る1日、ブリーフィングで「政府は1月に3.8%程度を予想したが、寒波・口蹄疫などで4%を越えた」 として「年平均物価上昇率が(当初予想より)やや上回ると考える」と話した。 政府の ‘3%物価上昇率’ は昨年末発表当時から無理な目標という批判を受けた経緯がある。
毎週関係部署合同物価安定対策会議を開いている政府は11日、また会議を開きソル(旧正月)連休前後期間を含む物価動向を点検する計画だ。これに先立ち9日には経済政策調停会議を開き、この間の物価安定対策推進実績を点検する予定だ。
■基準金利決定は物価上昇傾向が予想より強いという事実が確認され、金融通貨委がどのような決定を下すかが注目される。 先月に続き今月も基準金利引き上げを断行すれば、基準金利が3%に上がることになる。 韓銀が基準金利制度を導入した1999年以後、2ヶ月連続で基準金利を引き上げたのは2007年7~8月の一回だけだった。
パク・ジョンヨン ウリ投資証券アナリストは「1月金融通貨委の電撃的な金利引き上げと政府の物価安定総合対策にもかかわらず、物価上昇勢が簡単に落ち着くとは見にくい」として「2月金利引き上げの可能性が非常に高まった」 と診断した。
反面 ‘2ヶ月連続金利引き上げ’ が経済主導者に衝撃を与えかねないという点で今月は ‘休む’ と見る視角もある。財政部関係者は「今回も金利を引き上げる場合、物価は抑えられるかも知れないが、景気には大きな打撃になるだろう」 と話した。
だが、韓銀がたとえ今月 金利引き上げをしなくとも3月には断行する可能性が高いと専門家たちは見通している。 ソン・テジョン ウリ金融持株会社研究委員は「今月もしくは来月に金利を引き上げる場合、すでに下降リスクが大きくなっている景気と不動産市場、家計負債などに相当な負担を与えかねない」 として 「だが、4%を越える物価上昇、100ドルに肉迫したオイル価格などを考慮する時、金利引き上げをさらに先送りすることも難しい」 と話した。 彼は 「わが国経済が本格的に成長と物価の間のジレンマに入り込んでいる」 と付け加えた。
■為替レート・油類税にも注目
政府がウォン切上げ (ウォン-ドル為替レートの下落) をある程度 容認するのかも物価推移に影響を及ぼす核心要因だ。オイル価格・穀物など国際原材料価格の上昇が続く状況では、基準金利よりウォン切上げが輸入物価下落にさらに直接的な効果を発揮する。韓銀の分析を見れば、ウォン-ドル為替レートが10%上がる場合、消費者物価は1.84%、生産者物価は3.04%上昇する効果がある。 イム・ジョンニョン財政部1次官は最近「為替レートは市場で決定されるものであり、人為的調整は望ましくない」 と話しつつも「ただし今年に入り(韓国ウォンの価値が) 昨年対比で2%水準 切上げされており物価安定には役立つだろう」 と話した経緯がある。
去る1日、李明博大統領が「油類税引き下げを検討するだろう」 と明らかにし、国際石油価格が100ドルまで噴き上がる中で政府が油類税の引き下げに出るかも関心事だ。 油類税を10%程度引き下げる場合、リッター当り80ウォン程度の価格割引効果が生じる。 だが、財政部高位関係者は 「油類税引き下げは国際石油価格が140ドル以上に噴き上がる非常状況になれば検討できること」としながら「大統領もそのような場合を前提にして話した言葉と考える」と話した。
アン・ソンヒ記者 shan@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/461951.html 訳J.S